相続登記の申請義務化 司法書士会が周知へ
相続した不動産の登記申請を義務化する改正不動産登記法が4月1日に施行されることを受け、和歌山県司法書士会(伊澤徹会長)が周知に取り組んでいる。
これまで相続登記は任意だったが、所有者が亡くなった不動産の相続登記がされないことによって所有者不明土地が全国で増加し、公共事業や民間取引の障害になったり、空き家の放置により周辺の環境悪化が生じたりする社会問題が起こっている。
申請義務化はこうした問題の解決が目的。4月からは、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記をすることが義務となり、正当な理由なく相続登記をしない場合は10万円以下の過料となる可能性がある。
改正法施行前に相続した不動産については、2027年3月末までに相続登記をする必要がある。
伊澤会長ら同会役員は5日、県庁の岸本周平知事を訪問し、法改正と相続登記の速やかな実施について、県民への周知に協力を要請。無資格の事業者が申請サービスを提供する違法な事例がみられることも紹介し、注意を呼びかけた。
伊澤会長は、南海トラフ地震などの脅威を抱える和歌山の状況にもふれ、「被災地では所有者不明土地が復興の妨げになる。そういう土地を新たに増やさないよう歯止めをかけないといけない」と話し、相続登記申請義務化の意義を強調。岸本知事は「大事なお話で、空き家対策にもなる。司法書士会と二人三脚で取り組みたい」と応じた。