カイロス打ち上げ 13日以降に延期

直前で延期された宇宙事業会社㈱スペースワンの小型ロケット「カイロス」の次回の打ち上げは、13日以降となった。

9日午後、和歌山県那智勝浦町のホテルで記者会見した同社の阿部耕三執行役員は、延期の理由を、海上に設定していた警戒区域内(約6・5㌔四方)に、打ち上げ10分前になっても船舶が残留していたためだと説明した。

海上警戒区域は、打ち上げに伴う落下物の危険性を考慮し、水路業務法に基づいて海上保安庁に通報の上、同庁から水路通報として周知されるもので、同社は数カ月前から手続きを行い、地元の漁業関係者らへの説明を行っていた。

当日は打ち上げ予定時刻の数時間前からレーダーによる探査で船舶の侵入を確認し、同社の警戒船から無線で警戒区域から出るよう呼びかけをする体制だったが、阿部執行役員は「(残留していた船舶に)速やかに出てもらうことができなかった。初めてのことで円滑にできなかった」と述べた。

次回について同社は、探査や警戒船による活動の前倒しなどを検討する。