県内景況5期連続マイナス 先行き回復見込む

近畿財務局和歌山財務事務所は、法人企業景気予測調査(2月15日時点)の結果を発表した。県内企業の1~3月期の景況判断BSI(前期比「上昇」から「下降」を引いた指数)は前期のマイナス12・0からマイナス5・3に上昇したものの、5期連続のマイナスとなった。先行きは回復の見通しとなっている。

産業別BSIは、製造業が0・0(前期マイナス12・1)、非製造業がマイナス8・3(同マイナス11・9)にいずれも上昇した。

先行き見通しは、全産業で4~6月期がマイナス2・1、7~9月期が0・0に上昇が見込まれている。

規模別BSIは、大企業(資本金10億円以上)が18・2(前期0・0)に上昇、中堅企業(1億円以上10億円未満)が6・3(前期6・7)に下降。中小企業(1000万円以上1億円未満)はマイナス17・3(前期マイナス25・5)に上昇したが、大幅なマイナスが続いている。

規模別の先行き見通しは、4~6月期で大企業が0・0に下降、中堅企業が6・3で横ばい、中小企業がマイナス7・7に上昇。7~9月期は、大企業が9・1、中小企業がマイナス1・9に上昇する一方、中堅企業は0・0に下降が見込まれている。

企業からは、「中国向けの受注は低調だが、国内向けの受注は堅調」(生産用機械)、「仕入れ価格が上昇しているが販売価格への転嫁が進まず、利益が圧迫されている」(小売)、「生産能力増強に伴い、生産量が回復していることから売上が増加している」(農林水産業)などの声がある。

雇用情勢は、3月末時点の従業員数判断BSI(「不足気味」から「過剰気味」を引いた指数)が全産業で33・0(昨年12月末時点39・6)で、「不足気味」超の幅はやや縮小。全産業の今後の見通しは6月末時点が28・7、9月末時点も26・6で、「不足気味」超は続くとみられている。

全産業でみると、売上高は2023年度が0・7%、24年度が8・0%の増収を見込む。経常利益は23年度が30・4%、24年度が102・5%の大幅な増収見通し。設備投資は23年度が6・2%減、24年度が16・1%増を見込んでいる。

調査は県内に本店がある資本金1000万円以上の法人(電気・ガス・水道、金融・保険業は1億円以上)106社を対象に実施し、95社(回収率89・6%)から回答を得た。