ジャズの名曲熱演 瀧さんらコンサート
スイング・ジャズピアノの名手として知られる秋満義孝さん(94)を迎えた、和歌山市のジャズドラマー・瀧益生さん(80)らによるコンサートが、同市七番丁のダイワロイネットホテル和歌山で開かれ、約200人が心地よいジャズの生演奏を楽しんだ。
アルトサックス奏者の足立衛さんら、瀧さん率いる「グッドマン」のメンバーが出演。ピアノ、アルト・テナーサックス、クラリネット、ギター、ベース、ビブラフォンから成る8人編成のバンドで、ボーカルを迎えてのステージもあった。
フリーアナウンサーの小林睦郎さん司会のもと、『オール・オブ・ミー』『ビギン・ザ・ビギン』『シェルブールの雨傘』『ムーンライト・セレナーデ』など、ジャズのスタンダードナンバーや映画音楽の名曲を次々と演奏。
この日出演したビブラフォン奏者の齋藤歌奈さんの祖父が、NHK朝ドラ『ブギウギ』の主人公のモデルとなった笠置シヅ子と、かつてレコード「ラッパと娘」で共演したトランペット奏者の齋藤広義さんであることも紹介された。
秋満さんが円熟の音色を響かせ、スイングジャズの名曲『シング・シング・シング』では、瀧さんがドラムソロを披露して盛り上がった。
会場では、能登半島地震の被災地への募金も呼びかけられ、この日集まった義援金は石川県穴水町の高校へ届けるという。
年齢や体力面を考慮し「この規模のコンサートはこれで最後」との思いで臨んだという瀧さんは「演奏は、ふらふらになるほど疲れた。でも、お客さんが身を乗り出して聴き、手拍子をして音楽を楽しんでくれる姿を見て、『ジャズをやってて良かった』と思う、人生最良の日やったね」と笑顔。
秋満さんは「瀧さんとは、古き良き時代のアメリカのジャズ音楽を愛する仲間。あの頃の音楽が素直に好きだというのが、伝わってきます」とにこやかに話していた。