鶴保氏くら替え見送り 町村会等の要請受け
自民党の鶴保庸介参院議員(57)=和歌山選挙区=は4月28日、和歌山市内で記者会見し、次期衆院選の新和歌山1区へのくら替え出馬を見送ると表明した。
鶴保氏は昨年、新1区の予定候補者に決まっていたが、党派閥の裏金問題を巡り二階俊博元幹事長(85)=が次期衆院選不出馬を表明し、世耕弘成参院議員(61)=和歌山選挙区=が離党したことを受け、県全域とパイプを持つ党所属国会議員がいなくなることへの懸念の声が強まり、県連の県議有志や県町村会が鶴保氏に対し、くら替えを見送るよう要請していた。
鶴保氏は会見で、「和歌山の声が中央に届きにくくなるのではないかという危惧、県南部をはじめとする多くの地域の声は、私にとって無視し得るものでは到底ない」とし、「これらの声に従わざるを得ないし、従うべきだという結論を出した。引き続き参院議員のまま、和歌山のみならず、国のために粉骨砕身努力し、政治成果を出すべく精進していく」とくら替え断念の理由を説明した。
裏金問題による党勢低下や逆風が今回の判断に影響したか、との質問には「全く影響がなかったということはないが、それがメインではないことは強調しておきたい」と答え、「勝つか負けるかということよりも使命感が強かったが、この状況の中で、皆さんの制止、要請を振り切ってしなければならない大義はどれだけあるのか考えざるを得なかった」と話した。
鶴保氏は、5月4日に予定されている県連役員の会合で出馬見送りを報告するとしている。