参院にとどまり、和歌山に貢献 観光政策の司令塔として結果を

鶴保 庸介

このたび自民党観光立国調査会長を拝命致しました。二十数年前に党内にこの調査会を立ち上げた一人でもあり、少数の同志と会議を重ねたことを思い出します。これで名実共に観光政策の司令塔となります。特に和歌山にとって、観光は基幹産業の一つです。最前線にいるものとして、しっかりと結果を出していきたいと思います。
そして、そのためにも、苦渋の選択として、次期衆議院選挙和歌山1区への出馬を辞退することといたしました。昨年5月に候補予定者として選任をいただいてから日々政治活動を続けてきましたが、自民党の政治資金をめぐる問題で、和歌山県においても二階代議士の次期衆院選への不出馬、世耕議員の離党に至ったことはご承知の通りです。
このように状況が大きく変わる中、自民党所属の県議会議員の一部有志や和歌山県内の町村長、特に衆議院へのくら替えで選挙区ではなくなる県南部の首長の皆さんから、参議院に現職のままとどまるよう、要請をいただきました。
私自身も、これまで手掛けてきたインフラ政策はもちろん、和歌山1区でははまり切らない観光や捕鯨、棚田、ロケットなど多岐にわたる政策課題を成熟させるために、これまで以上に力を尽くしていかなければ、との強い思いもあります。限られた時間を選挙に向けた活動に割くよりも、こうした課題にしっかりと腰を据えて、これまで以上に注力することが和歌山県に貢献する道だと考えます。
全ての政策には歴史があります。そのいくつかに関わらせていただいた幸運に私は強く責任を感じます。
私が国土交通大臣政務官を務めていた二十数年前にインバウンド1000万人を達成しました。その際に行ったインバウンド客への消費税免税の対象品目の拡大は「爆買い」につながりました。ただ、このことは国内で観光客が免税商品を販売する「不正」があるだろうから、将来的には還付制度を見直さないと、ということについて(まさに今これが問題になっています)、おそらく政治家では私しか知らなかったことでしょう。また、当時は考えもしなかったオーバーツーリズムに戸惑う方々への処方箋も書かねばなりません。
増え続ける空き家を活用するためには中古住宅市場を活性化せねばなりません。そのために党内で小委員会をつくり、これに引っ張られる形で事務方も活発に行動してくれるようになりましたが、そこではインスペクションの簡素化、囲い込みの罰則化、販売手数料の弾力化など、未解決の問題点はいくつもあります。
また、約3年前に民法の改正を提唱させてもらい、今年からは相続物件には登記を義務化するようにもなりましたが、今後の運用も見ていかねばなりません。
県内の医師不足の理由の一つが県内の医学部定員の不足にあるということから掛け合った結果、県立医科大学の定員増という結果になったことはご存知のとおりです。しかし、このことは最初から医療費の増加や県内学生の進路について「走りながら考える」という問題点も指摘されてきたとおりです。
また、これまでの延長だけでなく、新たな社会課題に対処もしていかねばなりません。例えば、ドローンや二地域居住のための議連を立ち上げました。ドローン活用の基盤整備と、国内の移動の簡素化を期していかねばと思います。
ここで全てを書くことはできませんが、こうしたことごとのために、予想していた「選挙」とは違う形で新たな「挑戦」をさせていただきたいと考えております。どうかご理解ください。

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