有田ミカンのビール完成 信金ネットワーク
きのくに信用金庫(田谷節朗理事長)が実行委員を務め、全国の信用金庫が連携し、地域の枠を超えてさまざまな課題を解決する「よい仕事おこしネットワーク」は、有田ミカンを使ったクラフトビール「みかんエール」を開発。29日から和歌山市内のスーパーなどで販売開始となり、同日、市内のホテルアバローム紀の国でお披露目式があった。
名産品を生かした新商品の開発や、関連する地域をPRするプロジェクトの一環。県は2021年に同ネットワークと包括連携協定を締結しており、県関係では梅とミカンのカステラ、南高梅のクラフトビールに続く第3弾となる。
みかんエールは有田市の㈱伊藤農園のミカンを使い、東京都大田区でビールを製造する㈱大鵬が、羽田空港に隣接する羽田スカイブルーイングで醸造。4月に東京で行われた仕込み式には、岸本周平知事も参加した。
この日のお披露目式には岸本知事、伊藤農園の伊藤彰浩社長、大鵬の大屋幸子代表取締役、同ネットワークの事務局で城南信用金庫(東京都)の川本恭治理事長、きのくに信用金庫の田谷理事長が出席し、完成したビールを味わった。
岸本知事は一口飲み「ホップとミカンの上品な味。飲みやすくておいしい」と笑顔。大屋代表取締役は「素材の味を生かすために、ホップの香りを抑えるなど工夫した。イメージしたよりずっと優しいミカンの味に仕上がった」と話し、伊藤社長は「われわれにはできない方法で有田ミカンを日本全国、世界各国の人に知ってもらえることをうれしく思う。これをきっかけに有田ミカンの良さを知ってもらいたい」と喜びの表情。
和歌山市出身の川本理事長は「北陸ではカニのビールも造って成功している。和歌山にはまだおいしいものがいっぱいあるので次も楽しみにしている」と期待を寄せ、田谷理事長は「新たな地域連携プロジェクトに取り組み、和歌山をより一層広く発信していきたい」と意気込みを見せた。
みかんエールは330㍉㍑入りで968円。和歌山市内のスーパーサンキョー、ヒダカヤ、キーノ和歌山のロックスターファームズ、蔦屋書店和歌山市民図書館店などで販売。東京では県のアンテナショップ「わかやま紀州館」、大鵬が運営するレストランで購入できる。