忘れ得ぬ瞬間を撮影 色撮鳥クラブ写真展
和歌山県海南市の写真クラブ「色撮鳥(いろとりどり)」の第47回写真展が、JR海南駅構内1階ギャラリー「かいぶつくん」で30日まで開かれている。入場無料。
花畑重靖さんが講師を務め、森西淳起さん、岡田勝さん、尾畑敬さん、田村純子さん、大瀬克幸さんらメンバー5人が撮影した16点を展示している。
同クラブは約45年前、同市にあった西本カメラの店長や利用客、海南高校の写真クラブの生徒らが集まり発足。元日本陸軍少尉の小野田寛郎さんの捜索隊にも加わった山本昇さんが初代会長を務め、同市では2番目に歴史ある写真クラブ。
岡田さん(75)の作品「沈黙」は、県展で最優秀賞を受けた。数年前の夏、和歌山マリーナシティの防波堤から撮影した写真で、町の上に入道雲が連なり、さらに上空には町を包みこむほどの傘のような大きな雲が夕日に照らされている。
映画のワンシーンのようでもあり、夕日を撮ろうと西の空を向きカメラを構えていて、ふと、振り向くと広がっていた景色だという。岡田さんは「息をのむような光景で『沈黙』というタイトルが下りてきた。もう二度と撮れない景色に感動して迷わずシャッターを押した。忘れられない作品」と振り返る。
大瀬克幸さん(76)の作品「D51 930勇退」と「懐古」は、JR紀勢本線を走っていた、愛称「黒牛号」の蒸気機関車「D51 930」を撮影した2枚。一枚は1973年に撮影。勇退した同機関車を、みなと公園(現・同市消防本部)に展示するため車両に乗せて移送している場面。もう一枚は、現在の展示場所である岩出市の根来SL公園で、ことし撮影した。
大瀬さんは、数年前、今回の展示会場「かいぶつくん」に、D51のプレートが展示されているのを見つけ「もしかしたら過去に撮影した機関車と同じかも」と気付き、過去と現在の2枚を展示することとなった。大瀬さんは「懐かしさを感じるものや新作も楽しめます。気軽に見に来てもらえたら」と呼びかけている。
他にも、森西さんの「初雪」なども並ぶ。午前11時~午後5時。