パンダの七福神 みその商店街に己書アート
JR和歌山駅の近くにある、みその商店街(和歌山市美園町)を明るく彩ろうと、同市などで己書(おのれしょ)教室を開く5人が6月、長く閉まっているシャッターにパンダの七福神を描いた。そのかわいらしい絵に道行く人は足を止めている。
同商店街は戦後、闇市から発展した、にぎやかな商店街だったが、近年はシャッターが閉まったままの店も目立つ。
味わいのある文字や絵で自分の世界観を楽しく表現する己書の師範となって3年の古屋好美さん(56)は「寂しく見えるシャッターに絵を描けば明るくなってまちを活性化できるかもしれない」と、店舗のオーナーで、障害者のグループホーム「輝産業みそのGH」の管理者である岡崎美枝さん(61)に声をかけたところ快諾。己書師範の丸山泰子さん(52)、田邊佐知子さん(48)、浦口孝子さん(60)、岸野由紀さん(53)に協力を呼びかけ、制作に取りかかった。
シャッターにこびり付いた汚れを落とし、丁寧な重ね塗りで白く塗装。通る人の目を引き、和歌山らしさを表現しようと、船に乗って大海を進むパンダの七福神を描いた。横には他人と比べることなく、自分自身を磨くことが大切だという教訓を含んだ言葉「桜梅桃李」と、「あなたはあなたらしくそのままでいい じゃなくそのままがいい」という文章、「千客万来」の言葉を添えた。制作期間は2日。
岡崎さんは「優しい言葉と絵は利用者に好評でとても気に入っている」と笑顔。
古屋さんは「写真スポットになってほしい」と話し、5人は「これが好評だったら商店街全体に描きたい」と意気込んでいる。