海南・高津の桃出荷ピーク 不作も甘さは抜群

和歌山県海南市高津地域の希少な桃「高津の桃」が旬を迎えている。生産者でJAながみね桃部会の北原欣治副部会長(71)の農園では、清水白桃が出荷ピークで、小ぶりながらも糖度にこだわった甘みの強い桃が楽しめる。一方でことしは、暖冬の影響で、越冬したカメムシが実を吸い、高温が続いたことで果肉障害などの被害があり収穫量は昨年の約半分だといい、北原さんは「70年やっていて過去最悪。だけど、少ない中でも味は最高」と話す。

高津の桃は、生産者が少なくあまり多くは出回らないことから「知る人ぞ知る桃」。糖度が高いのが魅力。北原さんの農園は広さ約7500平方㍍の丘陵地に約300本の桃の木があり、水はけが良く養分の多い赤土で白鳳と日川白鳳、八幡白鳳、清水白桃、川中島白桃の5種類を育てている。

除草剤を減らすなどできるだけ有機栽培を心がけ、ことしからは新たな有機肥料を実験的に使用。野菜くずや、もみ殻、コーヒーかすなどを発酵させ肥料にした。「実は大きくはならないがおいしさはしっかり詰まっている。今後も有機肥料の割合を増やしていきたい」と話している。

清水白桃に続き、7月下旬には川中島白桃が収穫のピークを迎える。北原さんは「梅雨が終わると糖度が上がる。高津の桃をぜひ食べていただきたい」と笑顔で話している。

高津の桃は同地域の各直売所で購入できる。整理券が必要な場合あり。詳しくは高津桃直売所(海南市高津673、フリーダイヤル0120・56・4100)。営業日は水・金・日曜、午後1時から。

丹精込めて育てた桃を手に笑顔の北原さん