学術交流や展示 清華大学書記一行が来県
中国を代表する総合大学で、和歌山県と包括交流の覚書を交わしている清華大学(北京市)から、学内トップの邱勇書記一行が27~29日に来県した。高野山大学や和歌山大学との交流促進に向けた意見交換、清華大学美術学院の教員と学生による工芸作品展などが行われ、学術・文化をはじめ今後の交流促進が期待される。
清華大は1911年に創立。研究者や技術者、政府高官らを数多く輩出し、主な卒業生には習近平国家主席、胡錦濤前国家主席、ノーベル物理学賞受賞の揚振寧らがいる。2021年には、人材、青少年、学術、相互発展の各分野で交流を展開することを目的に、県と覚書を締結している。
今回の来日に先立ち、25日には岸本周平知事、本山貢和歌山大学長、添田隆昭高野山大学長が北京を訪れ、清華大で邱書記と今後の交流について意見交換を行ったばかり。27日には邱書記が高野山大を訪れ、両大学による高野山フォーラムの開催に向け、添田学長と共に覚書に署名した。
28日には、和歌山市のイオンモール和歌山で工芸作品展が開かれ、開幕式には清華大から邱書記、楊斌副学長、李廷江日本研究センター常務主任ら、県から下宏副知事、来賓の本山学長らが出席し、テープカットで作品展を祝った。
邱書記は「中国と和歌山には深い文化交流の歴史があり、日中関係の発展に大きく貢献してきた。和歌山の友人たちと力を合わせ、今後も長期的な交流と協力のメカニズムをつくり、友好を推進したい」とあいさつ。
下副知事は、世界の大学ランキングでアジア最上位に位置する清華大との交流を喜び、本山学長は「今後も日中友好を進め、清華大と県、和歌山大、高野山大との連携、交流が行われることを期待している」と話した。
作品展には、清華大美術学院の教員と学生が27組の作品を出展。金属、陶芸、漆芸、繊維、ガラスなど多彩な素材、ジャンルで、伝統的な技術と最先端の革新的なデザインなどが融合した作品が並び、来場者は熱心に見入っていた。