司法サービス向上を 地家裁に佐々木所長が就任

就任記者会見を行う佐々木所長
就任記者会見を行う佐々木所長

和歌山地方・家庭裁判所の新しい所長に就任した佐々木一夫氏(58)が2日、同地裁で記者会見し、「裁判所のデジタル化を進め、裁判制度によりアクセスしやすくし、司法サービスの質の向上を実現したい」などと抱負を語った。

佐々木氏は愛知県出身で、名古屋大学法学部を卒業。東京高裁判事、千葉地裁部総括判事、さいたま地家裁部総括判事などを歴任し、7月18日に和歌山地家裁所長に就任した。

佐々木氏は会見で、裁判官として主に刑事事件を担当してきた経歴を紹介し、15年前に裁判員制度が導入されたことを仕事での印象深い出来事として挙げた。裁判員の辞退率が上昇傾向にあることについて、経験者からは「やってみて良かった」などの感想を多く聞いているとし、経験者の言葉を広報していく重要性を指摘した上で、「どんなところが参加できない支障になっているのか意見を伺い、分析して、より多くの人が裁判員に参加できるよう改善していきたい」と話した。

和歌山にはこれまで訪れる機会がなかったとしながらも、自身が生まれ育った知多半島と似た風景があるとし、「豊かな自然に恵まれ、各地に名所、史跡がたくさんあり、歴史的にも非常に魅力的な地域」と述べ、熊野古道や那智の滝、紀伊半島の最南端などを訪れてみたい場所に挙げた。