足立さんが最優秀賞 少年メッセージ県大会

賞状とメダルを手に笑顔の足立さん
賞状とメダルを手に笑顔の足立さん

中学生が日頃感じていることなどを発表する「少年メッセージ2024」和歌山県大会(県青少年育成協会主催)が上富田町の上富田文化会館で開かれ、「みんなが知れば必ず変わる」と題して発表した高野山中3年の足立笑子さんが最優秀賞に輝いた。柔軟剤や合成洗剤の香料が原因とみられる体調不良などの「香害」をテーマに、自身の体験を発表した足立さんは「誰も傷つけないよう、伝え方には心を配った。まさか最優秀賞に選ばれるとは思わず、びっくりしました」と笑顔で話している。

少年メッセージは、同世代の青少年が互いに理解し合い、大人も中学生の正しい理解を深めることで郷土の若い世代の育成を図ることを目的に開催。県内各地から8962点の応募があり、この日は各地方の予選会で選ばれた17人が表情豊かに原稿を発表した。

足立さんは小学5年生の頃、コロナウイルスの消毒で化学物質過敏症を発症。喘息発作などを起こすため学校に行けなくなり、友達にも会えないつらい毎日を過ごしたという。そんな時、ある作家の「お話会」に参加。自身の症状を打ち明けると優しく聞き入れてくれ、その後のお話会で、香害問題が取り入れられていたことが大きな転機に。自分も、困っている人の心に寄り添えるようになりたいと感じたという。

足立さんは自身の体験をSNSで発信。さらに自分の口で伝えたいと思うようになった経緯を、この日のステージ上で、笑顔を絶やさずに発表。「一人の百歩より百人の一歩。どんな社会問題でも、一人では解決できません。だからこそ、私は発信し続けたいと思います」と力強く決意を述べた。

「緊張すると話すのが速くなってしまうので、丁寧に伝えようと毎日何度も練習した」と足立さん。当日も体調が優れなかったが「自分と同じつらい思いを誰にもしてほしくない。多くの人に香害問題を知ってほしい」との強い思いで臨んだという。

足立さんは11月に東京である全国大会候補として、中部・近畿ブロック大会に推薦される。

その他の受賞者は次の皆さん。

【優秀】金田凜佳(開智3)▽岡澤怜音(粉河1)▽岡本愛椛(大塔3)【入賞】河原田桃花(大塔2)▽大坪咲(信愛3)▽熊谷悠月(日高高付属3)▽北川智里(上富田3)▽榎本幸喜(光洋3)▽川瀬らら(宇久井3)▽宮原綾花(中辺路3)▽岩本ひより(下津第一2)▽鞍結姫乃(美里3)▽篠原向生子(古佐田丘3)▽嘉成潤羽(吉備1)▽井上桜杏(岩出第二2)▽林咲希(日高川町中学校組合立大成3)▽上西彩友(石垣2)