国で対応基準の策定を 南海トラフ臨時情報で尾花市長

南海トラフ地震臨時情報への対応を振り返る尾花市長
南海トラフ地震臨時情報への対応を振り返る尾花市長

和歌山市の尾花正啓市長は22日の定例記者会見で、初の南海トラフ地震臨時情報(8~15日)への対応について、自治体がとるべき対応が具体的に決まっていないとして、「国で一定の基準が必要ではないかと思っている」と述べた。

国が今回発表した「巨大地震注意」の一段階上の「巨大地震警戒」が発表された場合、津波避難困難地域では1週間の避難を呼びかけることになっているが、尾花市長はその他の具体的な対応の定めが乏しいことを課題と指摘。国に基準の策定を求める一方、市民の日常生活に大きな影響を及ぼすことから、「市独自でも検討を深め、巨大地震注意、警戒が出た場合の対応を事前に決めておく形をとりたい」と話した。

尾花市長は、今回の「巨大地震注意」への対応で、大きく迷うことはなかったとしたが、国の発表が夜の時間帯だったことから、防災行政無線で情報を流すべきかどうか検討し、「あまり騒いで不安に落とし入れる話でもない」との判断から、メールなどでの発信にしたことを説明した。

また、夏の行楽シーズンだったことから、海水浴客をいかに安全に誘導するかも課題になるとの認識を示した。

若者の流出抑制を 就任10周年で意欲

定例記者会見では、今月25日で就任10年を迎えることについて所感を求める質問もあった。

尾花市長は就任当時について、地方都市の人口流出が激しく、都市が衰退し、将来の人口バランスが悪くなる課題に直面していたとし、産業振興、まちの活性化、子育て支援などに取り組み、人口減少にややブレーキがかかるなど、1、2期目はおおむね計画通りに施策ができ、財政再建も進んだと振り返った。

2期目後半からのコロナ過により、再び人口が社会減に転じるなど厳しい状況となったが、影響が落ち着いた現在、「特に若い人の流出を抑制したい」とし、「まだ道半ば。実現できるようにしっかり頑張っていきたい」と意欲を示した。