整備技術者養成へ教材寄贈 県内トヨタ5社
和歌山県内のトヨタ系列の販売会社など5社は、県立和歌山産業技術専門学院、田辺産業技術専門学院に、自動車整備実習用の教材としてエンジンや部品などを寄贈した。25日、県庁を訪れた5社の代表に、岸本周平知事は感謝状を贈った。
寄贈した5社は、和歌山トヨタ自動車㈱(弘田宗博社長)、和歌山トヨペット㈱(片畑秀夫社長)、トヨタカローラ和歌山㈱(西川直人社長)、ネッツトヨタ和歌山㈱(海瀬隆太郎社長)、トヨタモビリティパーツ㈱和歌山支社(木村俊一支社長)。
県立の職業能力開発校である両学院には理容、建築工学、情報システムなどの学科があり、中でも自動車工学科(2年課程)は最も定員が多く、現在は和歌山で38人、田辺で27人が在籍している。
自動車業界はエンジニア不足が大きな課題となっており、5社は県内で優秀な自動車整備技術者を養成することに貢献し、地元での雇用につなげようと、今回の寄贈を決めた。
寄贈品は、エンジン7基、動力を効率よくタイヤに伝える機構であるHEVトランスアクスル7個、CVT(無段変速機)7個、LEDライト前後5セット、エンジン制御用の弁機構であるVSV5個、ブレーキブースタ(ブレーキ操作補助システム)5個、アウターミラー5セット。トヨタ車の最新の部品が提供されており、すでに両学院で学生たちの自動車整備実習に活用されている。
感謝状贈呈式は県庁知事室で行われ、5社を代表してトヨタカローラ和歌山の西川社長が岸本知事に寄贈目録を手渡し、岸本知事は5社の代表一人ひとりに感謝状を贈った。
岸本知事は寄贈に感謝した上で、「手に職を持つ人が少なくなっている。県として両学院には力を入れ、きちんと自動車工学を学んだ人材を育てていきたい」と述べた。
西川社長は「エンジニアが不足しているが、地元の人材を採用することにこだわっている。学院でしっかりと技術を学び、地元で就職してもらいたい」と話していた。