上野、冷水さん協演も 大桑文化奨励賞表彰式
公益財団法人大桑教育文化振興財団(大桑弘嗣理事長)は、2024年度大桑文化奨励賞の表彰式と、文化、教育、スポーツ活動に対する援助の目録贈呈式を19日、和歌山市のホテルアバローム紀の国で行った。文化奨励賞に選ばれた同市出身のピアニスト・上野絵理子さん(37)と、橋本市出身で作曲家の冷水乃栄流(ひやみずのえる)さん(27)が講話し、ピアノ演奏を披露した。
同財団は㈱オークワの創業者・故大桑勇が1993年に設立。文化、芸術分野で優れた活動に取り組む県にゆかりのある人に贈る同奨励賞をはじめ、毎年、県内スポーツ選手への競技力向上援助や奨学金給付、市町村対抗ジュニア駅伝競走大会援助、学校への図書寄贈などの援助を続けている。本年度は47人の大学生と6人の高校生のスポーツ選手に月額3万円の奨学金を給付する他、団体、個人、学校などへ総額約2700万円の援助や寄贈を行った。
式典で大桑理事長は、これまでに給付した奨学金の総額が6億円に上ることなどを報告。「今後も有意義な人材の育成に寄与するための助成活動を充実させていきたい。皆さまには県の文化芸術活動の発展のため、より一層、地域に愛される地道な活動継続に期待します」とあいさつ。受賞者、援助対象者らに賞状と目録を手渡した。
文化奨励賞を受けた上野さんは「受賞できて喜びでいっぱいです。今後も指導する子どもたちには、ジャンル問わず自分の心に響く音楽を大切に、子どもたちが五感をフルに使って音楽を楽しめるように努めたい」と話し、シューマンのピアノ曲「献呈」のリスト編曲版を披露した。
冷水さんは、自身が手がけたANAグループの新ブランド「エアージャパン」の機内搭乗曲「あい」をピアノで披露。「生まれ育った橋本市の豊かな自然が私の音楽のルーツ。将来は和歌山に戻って文化芸術の振興に携わりたい。日本文化を世界へ発信していきたい」と話した。
最後に、冷水さんが「もみじ」「赤とんぼ」「ふるさと」などを盛り込んで作曲した「秋の曲メドレー」を上野さんが演奏し、参加者らは、秋の風情たっぷりのピアノの音色を楽しんだ。