和市との交流拡大を 済南から訪問団
和歌山市の友好都市、中国山東省済南市から3日、中国人民政治協商会議済南市委員会の雷傑主席ら6人の一行が和歌山市を訪れ、犬塚康司副市長や丹羽直子市議会議長を表敬訪問し、文化、経済など両市のより幅広い交流の拡大に向け、意見交換した。
済南市は県と友好提携している山東省の省都で、人口約1000万人を有する政治、経済、文化の中心。約2600年前に城郭が築かれ、都市としての歴史は古く、古来、湧き水が豊富なことでも知られ、清朝の皇帝が「天下第一泉」と呼んだ突泉(ほうとつせん)など著名な観光地もある。
県省間の提携より1年早い1983年1月に和歌山市と友好都市提携を結び、昨年は40周年の節目を迎えた。和歌山市議会でも、日中友好市議会議員連盟(芝本和己会長)と済南市対外友好協会が2015年9月に相互理解と友好交流に関する覚書を締結。両市は文化や教育、観光などの分野で交流を続けてきた。
中国人民政治協商会議は中国共産党や各団体、各界の代表で構成される組織。和歌山市役所ではまず、犬塚副市長らが雷主席一行を歓迎した後、市議会で丹羽議長らと会談し、いずれも芝本会長が同席した。
犬塚副市長は、ことし8月に和歌山市の中学生24人が済南市を訪問し、学生間交流や体験授業に参加したことなどに謝意を伝え、「友好を未来に受け継ぐ大切さを改めて感じている。今後もお力添えをお願いしたい」と述べた。
丹羽議長は、日中友好議連の活動などにふれ、「昨年の40周年を経て両市の交流は深まっている。今回の来訪を機に、友好関係のますますの発展を祈念している」と歓迎した。
雷主席は、両市の友好に尽力してきた各界の関係者に感謝し、「和歌山市は済南市にとって最も早い友好都市であり、豊かな交流の成果を収めている。これからも実務的な交流関係を深めていきたい」と述べた上で、経済・貿易の推進、市民の交流促進、政治協商会議済南市委員会と和歌山市各界との交流の拡大の3点を提案した。
会談では贈り物の交換なども行われ、終始和やか。市役所訪問後、一行の歓迎会も開かれた。