有田市認定みかんが旬 厳しい気象でも高品質

有田市認定みかんをPRする「あり太くん」㊥と北野さん㊧、中嶋さん
有田市認定みかんをPRする「あり太くん」㊥と北野さん㊧、中嶋さん

和歌山を代表する秋冬の味覚「有田みかん」の中でも、プロによる厳しい審査を経て認定される高品質ブランド「有田市認定みかん」が旬を迎えている。ことしは気象条件の厳しさなどから認定に合格した品数は減っているが、市の担当者は「甘味と酸味のバランスがよく、コクのあるおいしさに仕上がっています」と話している。

認定みかん制度は2010年度に始まり、15年目を迎えた。市内の認定園地で栽培され、糖度12度以上、酸度1%以下などの品質基準を充たし、さらにパティシエの鎧塚俊彦さんを審査委員長、マスターソムリエの髙野豊さんを副委員長とする味覚のプロたち8人による食味審査に合格したものだけが認定される。

認定率は有田みかん全体の数%で、毎年、高品質の味を求めるファンが競うように買い求める。

認定みかんの知名度アップのため、市は、職員とマスコットキャラクター「あり太くん」が各地でPR活動を展開。9日、市ふるさと創生室ブランド推進係の北野遥大主事、中嶋隼人主事がわかやま新報本社を訪れた。

2人によると、ことしは10~11月まで高温が続くなどした影響で、実の色づきが例年より2週間ほど遅く、酸味が抜けることで味がぼんやりしやすいなどの厳しい条件があったが、高い栽培技術を持つ農家の奮闘で、認定基準を満たす味わいに仕上げた。

10月上旬から全6回行った審査会では、例年は11月中が出品のピークになるところ、ことしは最終回の12月3日の出品が最多。最終の認定合格数は、昨年の135品より少ない113品だったが、審査委員からは「しっかり酸味が残った味わいで安心した」「甘く、風味とコクがある」など高い評価が寄せられた。

認定みかんは、市ふるさと納税の返礼品、有田箕島漁協直営の産直市場「浜のうたせ」で入手できる他、市ホームページに掲載の生産農家に直接連絡することもできる。