文化財を火災から守れ 和歌山市消防が訓練
文化財防火運動推進週間(23~29日)に合わせ、和歌山市消防局は27日、同市梶取の梶取本山総持寺(松尾孝龍貫主)で消防訓練を行った。
文化財を火事から保護するための消防体制の充実強化を図ることなどを目的に実施。総持寺にある調理などをする建物「庫裏」から出火し、強風で本堂まで火が燃え移った現場を想定した。
訓練では、同寺関係者が火元の確認や初期消火などをして消防へ通報。現場に消防隊が到着し、避難誘導をしたり、文化財などの宝物を搬送したりした。その後、庫裏と本堂に一斉放水を行った。同寺に隣接する野崎幼稚園の園児らも避難した。
訓練後、市消防局の谷口佳生局長が「歴史的な建物や資料をあらゆる災害から守り、次の世代に引き継いでいくことは消防局の使命の一つ」と隊員に伝えた。
同週間は、1949年1月26日に奈良県の法隆寺金堂が炎上し、国宝の壁画が焼失したことから定められた「文化財防火デー」(毎年1月26日)に合わせ、市消防局が定めている。