県政の継承か転換か 知事選2氏に審判へ

知事選候補者のポスター
知事選候補者のポスター

岸本周平前和歌山県知事の死去に伴う知事選は6月1日に投票が行われ、即日開票される。立候補しているのは届け出順に、共産新人で元和歌山市議の松坂美知子候補(68)、無所属新人で元副知事の宮﨑泉候補(66)=自民、公明、立憲民主、国民民主、社民県連推薦=。17日間にわたり一騎打ちを繰り広げてきた2人に、有権者の審判が下る。

2022年11月の前回知事選で16年ぶりの新知事として当選した岸本氏は、学校給食の無償化、こども食堂の拡充、LGBTQ(性的少数者)のカップルが法律婚の夫婦と同等のサービスを受けられるようにする「パートナーシップ宣誓制度」の導入、障害者差別解消条例の制定、部落差別解消推進条例の強化改正などを実現し、脱炭素政策の推進、県庁の職場環境改善などにも精力的に取り組んでいたが、在任2年4カ月で急逝した。

岸本県政で教育長と副知事を務めた宮﨑候補は、「岸本知事の和歌山に対する熱い思いと政策を引き継ぐことが私に課せられた使命」とし、県政の継承を掲げて戦ってきた。

松坂候補は、学校給食の無償化、パートナーシップ宣誓制度の導入など岸本県政の成果の一部を評価する一方、物価高などで苦しい県民生活への支援がさらに必要とし、南紀白浜空港の「特定利用空港」指定ついて、軍事利用の危険があるなどとして、指定撤回を訴えてきた。

知事選の投票率は2000年9月の51・31%を最後に、21世紀に入ってから一度も50%を超えておらず、直近の3回は、14年が39・65%、18年が38・33%、22年が39・86%と40%を下回る低迷が続いている。今回の有権者の動向が注目される。

各市町村選挙管理委員会は31日までに投票所の設営などの準備を済ませる。  投票は1日午前7時~午後8時、県内807カ所(うち593カ所は閉所時間を繰り上げ)で行われる。開票は午後8時から各市町村の開票所で順次始まり、同日深夜には大勢が判明する。開票終了は、最も遅い和歌山市で午後10時45分ごろの予定。