宮﨑さん初当選 和歌山県知事選

岸本周平前和歌山県知事の死去に伴う知事選は1日に投開、即日開票され、無所属の前副知事、宮﨑泉さん(66)=自民、公明、立憲民主、国民民主、社民県連推薦=が、共産党公認の松坂美知子さん(68)を破り、初当選を果たした。
4月15日に岸本さんが急逝したことにより、告示まで1カという短期決戦になった知事選。岸本さんが進めてきた県政の方向性を引き継ぐか否かなどが争点となった。
4月1日に副知事に就任したばかりの宮﨑さんは「岸本知事の和歌山に対する熱い思いと政策を引き継ぐことが、私に課せられた使命」と立候補を表明。「笑顔あふれる和歌山」の実現を掲げ、40年以上、県の行政に関わってきた経験や人脈の広さを生かして選挙活動を優位に進めた。「こどもまんなか社会」「誰もが活躍できる社会」、子育て支援や防災・減災対策の拡充などを訴え、精力的に県内を回って支持を広げた。
一方、松坂さんは「暮らしを助ける県政」を掲げ、南紀白浜空港の特定利用空港指定の撤回、最低賃金引き上げの実現などを訴えたが、及ばなかった。

息吹育て大きな花に 県民の声聞き現場主義推進
和歌山市小松原通の宮﨑泉さんの事務所には、支援者や推薦した各党の国会・地方議員、市町村長らが集まり、午後8時に当選確実が報じられると、会場は拍手に包まれた。数分後、駆け付けた宮﨑さんは支援者らと喜びを共にし、家族や支援者から花束を受け取った。
急逝を受けての選挙のため、万歳はなく拍手で当選を祝った。宮﨑さんは「選挙期間中、岸本知事がアドバイスしてくれたような気がします。たまには激励を、そして叱咤(しった)を受けながら選挙のプロの教えを頂いた。岸本知事が吹き込んだ息吹を育て、大きな花を咲かせたい。県民の皆さまの声を聞きながら現場主義で県政を推進していきます」と話した。
