「県の発展を見守って」 岸本前知事の県民葬

祭壇に献花する参列者
祭壇に献花する参列者

4月15日に68歳で急逝した岸本周平前和歌山県知事の県民葬が7日、和歌山市小松原通の県民文化会館大ホールで行われ、各界の代表や親族、一般の県民ら約2500人が参列し、岸本前知事との早過ぎる別れを惜しみ、追悼の祈りをささげた。

県や県議会をはじめ県内の各種団体22団体で構成する実行委員会が主催し、葬儀委員長は宮﨑泉知事、副委員長は鈴木太雄県議会議長が務めた。

香織夫人が抱いた岸本前知事の遺骨が会場に入場し、祭壇に安置され、県民葬は開式。和歌山児童合唱団が県民歌を斉唱し、参列者が黙とうをささげた。

宮﨑知事は弔辞で、「県民の笑顔」を追い求めた岸本前知事の2年4カ月の県政運営の功績や人柄を振り返り、「岸本さんが和歌山の将来を思い描いてまいた種を大切に育て、立派な実を実らせることが、これからを生きる私たちの役目。岸本さん、どうか天上で末永く私たち、そして和歌山県の発展を見守っていてください」と述べた。

弔辞を述べる宮﨑知事
弔辞を述べる宮﨑知事

岸本前知事と親交が深かった加藤勝信財務大臣や阿部俊子文部科学大臣、鈴木議長、県選出国会議員を代表して石田真敏衆院議員、県経済団体連合会を代表して竹田純久和歌山商工会議所会頭も弔辞を行った。

祭壇には、各界からの弔電、8252人分の記帳が奉呈され、和歌山市出身のバイオリニストで東京藝術大学前学長の澤和樹さんとピアニストの宮下直子さんが「アヴェ・マリア」(バッハ、グノー)の演奏をささげた。

遺族や参列者の代表による献花が行われた後、香織夫人は謝辞で「岸本周平にとって和歌山県知事は天職だった。困った人たちを何とか助けたい、子どもたちが伸び伸びと元気に育つ環境をつくりたい、そして笑顔あふれる和歌山にしたい、心底そう思っていた。一番悔しいのはもちろん本人だと思うが、それでも一気に駆け抜けた幸せな人生だったと信じている」と話し、「新知事のもとで笑顔あふれる和歌山が実現することを切に願っている」と期待を寄せた。

その後は、一般参列者による献花の列が祭壇前に長く続いた。多くの参列者に対応するため、本会場の他、同館の別室や県庁南別館にサテライト会場も設けられ、インターネット配信も行われた。