だんじり勇壮に運行 伝統の粉河祭にぎわう

粉河とんまか通りを勇壮に運行するだんじり
粉河とんまか通りを勇壮に運行するだんじり

♪とんとんトンマカ~♪和歌山県紀の川市の旧粉河町一帯で歌い踊られる民謡「粉河トンマカ」が鳴り響く中、勇壮にだんじりが運行。紀州三大祭の一つ「粉河祭」が26、27の両日、同市の粉河駅から粉河寺大門橋までの粉河とんまか通りで行われ、大勢の見物客でにぎわった。

粉河寺鎮守である粉河産土神社の祭礼で、起源は同神社が創建された平安初期の延暦年間(780年ごろ)とされる。戦国時代に一時途絶えたが、天正13年(1585)に猿丘(粉河城)城主・藤堂高虎によって再興された。

26日の宵祭では、同神社で湯立て神事があり、午後7時、ちょうちんを灯しただんじりが出発。太鼓と鉦(かね)によるだんじり囃子を奏でながら「そーりゃ、そーりゃ」という掛け声とともに運行。

ことしは東町のだんじりが10年ぶりに復活。天福町、石町、本町、根来町、北町の6基のだんじりが午後11時まで、とんまか通りを何度も往復しながら勢いよく駆け抜けた。

汗を流しながらだんじりを引いていた女性(24)は「参加するようになって9年。夏になくてはならない祭りで、この日のために生きている。楽しい」と元気いっぱいの笑顔。浴衣姿の人や外国人客も多く、勇壮に運行する様子を動画に収めていた。

這上町のだんじり周辺では、粉河高校の生徒と地域を盛り上げようと活動する天晴プロジェクトが、「粉河トンマカ」で盆踊り。幅広い世代が踊りで一つになっていた。

27日の本祭では、同神社で式典があり、子どもたちによる「子どもだんじり」が運行。だんじりから餅や菓子が豪快にまかれ、粉河中学校吹奏楽部による演奏の後は各町のだんじりが練り歩いた。