避難所で温かい食事を 災害に備え炊き出し訓練

和歌山県は10日、災害時の避難所環境改善に向け、昨年度購入したキッチンコンテナを活用し、和歌山市内で初の炊き出し訓練を行った。
能登半島地震の教訓を踏まえ、避難所で温かい食事を円滑に提供できる体制を整えようと、県は県調理師会(味村正弘会長)、県中小企業団体中央会(玉置篤会長)と連携協定を締結しており、訓練はこの協定に基き実施した。
キッチンコンテナにはガス炊飯器やガステーブル、冷蔵庫などが搭載され、店舗と同等の調理が可能。
この日はフランス料理店JOY味村(同市片岡町)のオーナーシェフ味村さんが、熊野牛と黒毛和牛などを使用した特製カレー限定100食を調理。同市西浜の和歌山港西浜第3岸壁で開かれた自衛隊和歌山地方協力本部主催の広報イベントの来場者に振る舞った。
味村さんは「災害時に問題なく使えることが確認できた」と笑顔。県防災企画課の大畑敦義課長は「県では自走式水洗トイレカーも導入し、キッチンコンテナと併せて災害時の被災者支援や防災訓練などに活用していく」と話した。
会場では海上自衛隊の護衛艦「いなづま」の一般公開や、自衛隊、警察、消防の装備品、トイレカー、地震体験車の展示も行われ、6000人を超える人でにぎわった。