首位破り逆転Vへ前進 アルテリーヴォ

関西サッカーリーグ1部は8月30日、和歌山市毛見の紀三井寺公園陸上競技場で行われ、現在2位のアルテリーヴォ和歌山は首位・FC BASARA HYOGO(兵庫)を2―0で破った。首位相手との「とても重要な試合」と位置付けての勝利。残り3試合を残して勝ち点差は「2」となり、悲願の逆転優勝へ大きな一歩を刻んだ。
3589人の観客が集まり、小久保裕也主将は大声援が「大きな力になった」と言う。
先制は前半11分。GK佐藤のロングボールに抜け出したFW和田が放ったシュートは相手GKに一度は阻まれたが、こぼれ球を自ら押し込みゴール。スタジアムは大歓声に包まれ、和田は「サッカーの醍醐味(だいごみ)を感じさせてくれた」と振り返る。
後半も両チームの攻防が続いた。和田が右サイドを突破して上げたクロスに合わせにいったFW北野が倒されPKを得るが、和田が「コースが甘くなってしまった」と決め切れず。
しかし試合終盤、和田がまたも見せ場をつくる。45分、「こだわりがあって自信がある」というドリブルで中央を切り裂き、PA手前でフリーキックを獲得。和田自身がキッカーを務め、「いけるなと思った」とゴールネットを揺らして勝利を決定づけた。
スタンドからは、最後まで熱い拍手と大声援が送られた。
三枝寛和監督は「相手にプレッシャーをかけ続けてコントロールできたいいゲームだった」と試合を振り返り、小久保主将は「和歌山を代表している責任を強く感じる。一度ついた火を絶やさず、もっと盛り上げていきたい」と意気込んでいた。
試合前には教室も 明治安田が小学生に
試合の前には、明治安田生命保険相互会社和歌山支社によるサッカー教室が開かれ、市内を中心に小学生約50人が参加した。同社が毎年、社会貢献の一環として実施している。
アルテリーヴォ和歌山の選手たちが講師を務め、シュートやミニゲームを通じて子どもたちに実践的な技術を指導。体の使い方やボールの受け方を丁寧に指導し、子どもたちは真剣勝負ながらも笑顔で楽しんでいた。
市内のサッカーチーム「三田JFC」に所属のFW白木原惺成さん(小学5年)は、シュートする時に軸足をしっかり踏み込むことを教わったといい、「1人でも攻められてゴールを決められるようになりたい」と目を輝かせていた。