地域の魅力をゲームで発信 加太中の生徒が制作

地域の魅力を発信しようと、和歌山市立加太中学校の生徒たちが、地元を題材にしたゲームを制作した。2024年から始まった「地域学習プログラム」の集大成として行い、2、3年生30人がICT(情報通信技術)やプログラミングを学びながら、加太の魅力や課題をゲームで発信。生徒たちは8月末に同校で完成した作品を発表し、意見を出し合った。
ゲーム制作は南海電気鉄道㈱、日本電気㈱(NEC)、㈱ミマモルメ、オプテージの4社が連携し、NECが運営する関西地域の経済活性化に向けた取り組み「BluStellar Communities関西地域共創プログラム」の一環として実施。
4社のうち、南海電鉄のデジタル変革室データマーケティング部の佐々木亮課長補佐が加太線の担当で、周辺エリアの活性化に取り組んでいた。それとは別に加太で児童・生徒数が減少している問題もあり、何か力になれないかと、昨年、同校に相談。同校ではICT教育に力を入れており、他の3社の中に、プログラミングを教える企業が含まれていることから、今回のプロジェクトが実現した。
生徒たちはゲームを作るためのプログラミングソフト「Godot」を使い、地域を表現する作品を制作。チームに分かれてプログラミングやデザイン、素材集めなどを役割分担しながら、加太の風景などPRしたい内容を盛り込み、約10時間かけて作った。
選択肢により結末が変わるゲームが多い中で、唯一クイズ形式のゲームを制作したチームの2年生、亀幸葉(よつば)さんはプログラミングを担当。「シンプルなクイズに見えても、実際に作ってみるとたくさんのプログラミング作業が必要だった」と言い、加太について「観光客は多いけれど住んでくれる人は少ないのでもっと増えてほしい。海も山も自然がいっぱい。みんな優しくて親切です」と魅力を話した。
同校の鳥居純子校長は、小規模特認校だからこそ今回の取り組みができたといい、「(生徒たちが)他のチームに対して意見を言えるのはもちろん、自分たちが作ったものをより良くしたいと考える姿勢が頼もしかった。成長を感じている」と話した。