外国人ドライバー採用 「特定技能」で県内初

ドライバーとして採用されたギナンジャルさん㊧とスクマさん
ドライバーとして採用されたギナンジャルさん㊧とスクマさん

物流業界で人手不足が深刻化する中、和歌山市直川の㈱鳥羽運送(鳥羽弘基代表取締役社長)は県内で初めて「特定技能」の在留資格を持つインドネシア人のトラックドライバー2人を採用。10日に行われた入社式で、鳥羽社長がギナン・ジャル・プディアントさん(29)、イプトゥ・スクマ・マハディタさん(25)に辞令を交付した。

同社によると、運送業界は働き方改革関連法に伴う時間外労働の上限規制適用や、物流需要の急増などに伴う人材不足が大きな課題になっているという。

「特定技能」は、国内で人材を確保することが困難な特定の産業分野で、人手不足を解消するために創設された在留資格。昨年、自動車運送業も対象になった。

在留資格を得るためには、日本語能力を証明する試験の合格、一般財団法人日本海事協会が実施する自動車運送業分野特定技能1号評価試験の合格、日本の自動車運転免許(第一種)が必要となる。

今回、入社した2人は海外専門の人材紹介会社、㈱GLORY OF BRIDGE(出村康作代表取締役)の紹介で、正社員としての採用に至った。

ギナンジャルさんは以前、介護職員として勤務し、車通勤していた。大型トラックとすれ違う機会があり、トラックドライバーに憧れ、転職を決意したといい「運転が好きなので大型に乗ってスキルアップしたい。日本で仕事の仕方を学び、いつか母国で技術を広めたいです」と話した。

スクマさんはこれまで建設業に就き、準中型の車両を運転していた。もともと車が好きだったことから、トラックドライバー挑戦への思いが募ったという。「アニメや車など、日本は好きなものが多いです。頑張って長距離を走りたい」と笑顔。

鳥羽社長は「外国人ドライバーを採用することが業界のPRになり、人材不足の解消につながれば。彼らには自分のビジョンを達成してほしいし、夢を追いかけてほしい。会社も援助するので、将来のために頑張ってほしい」と話した。

同社は今後も外国人ドライバーの採用を予定しているという。