災害から高齢者守る 和歌山市消防と特養が訓練

和歌山市消防局は17日、土佐町の特別養護老人ホーム第2みどりが丘ホームで火災発生を想定した消防訓練を行い、同局と施設の自衛消防隊員が協力し、初期消火や入所者の避難誘導、救助などの対応を実践した。
敬老の日を含む1週間を「高齢者等防火推進週間」と位置付け、市消防局が高齢者福祉施設などを対象とする訓練や広報を強化している取り組みの一環。
同施設は入所者51人、職員22人で、訓練には同市中消防署の8隊34人と7車両、自衛消防隊の6人が参加。4階建ての施設1階の調理室から出火した想定で、施設職員が初期消火に当たったが鎮火できず、建物内には煙が充満し、逃げ遅れた人がいるとの状況で行われた。
自動火災報知設備が作動し、警報が施設内に響く中、職員は消防に火災発生を通報し、入所者を車いすで屋外に避難させる手順を確認。消防隊員が現場に到着すると、職員は救助を要する人などの状況を伝えた。
隊員らは2台のはしご車を使い、3階のベランダ、4階の窓から逃げ遅れた人を救助し、地上に運ぶと、けがや意識の異常がないかなどを確認した後、建物に向けて放水した。
中消防署の西井正治署長は「普段から防火意識を高め、特に、職員が少なくなる夜間の対応訓練を続けてもらいたい」と呼びかけた。
施設を運営する社会福祉法人みどり会の古梅弘理事長(70)は「消防隊が到着する前の初期段階に、自分たちができる範囲のことを迅速に行う体制をとることが、高齢者を守るために大切だ。意識して取り組んでいきたい」と話した。