五穀豊穣、無病息災願い 淡嶋神社で「甘酒祭」

酒造りの神、少彦名命(すくなひこなのみこと)を祭神とする和歌山市加太の淡嶋神社で3日、秋の大祭「甘酒祭」が行われ、多くの人が参拝した。
江戸時代中期ごろから続く歴史のある祭典で、同神社の神職が祓い言葉を唱えた後、前田智子宮司(57)が新米の麹(こうじ)や栗、ぶどう、加太で採れた海藻などを本殿に奉納。五穀豊穣・無病息災を祈願し、祝詞を奏上した。
その後、麹を2日間発酵させて砂糖や生姜を加えて造った甘酒20㍑の大鍋四つに祈祷(きとう)を受けた麹を分け入れ、境内で振る舞った。巫女(みこ)から温かい甘酒を受け取った参拝者らは生姜の香る味を楽しみ、ゆっくりと飲み干した。
加太に来るのは2回目だという、90代の母親と大阪府から旅行で来た60代の女性は「(甘酒祭を)知らずに来たが、頂いた甘酒は温かくてほっとする。加太は大阪からも近く、良い所です」と笑顔。
前田宮司は「猛暑の疲れで体調管理が大変な時期ですが、皆さんが無事過ごせるよう、無病息災の祝詞を上げました。甘酒を飲んで疫病に負けず、健康に過ごしてください」と呼びかけた。