苦労重ね納得の作品に 海友館が写真展

ことし結成10年目を迎えた和歌山県海南市の写真サークル「海友館フォトクラブ」の第10回写真展が31日まで、JR海南駅構内ギャラリーかいぶつくんで開かれている。
会員14人がスマートフォンや一眼レフカメラで撮影した風景やスナップ、人物写真など個性豊かな作品18点が並ぶ。和歌山市や有田川町、みなべ町、自宅で撮ったものなど、撮影場所もさまざま。
同クラブ事務局の代表、講師を務める大瀬克幸さん(77)は「個性を生かすためテーマは設けていない」と話し、デジタル加工が進化する中、フィルム時代と同じように作者のオリジナルを損なわない作品づくりをコンセプトに活動する。
安積とし子さんの作品「宵を迎える時間」は、紀の川の土手で夕焼けを背景に彼岸花を写した。初めは彼岸花をシルエットで撮影したが、「せっかくの赤色が、シルエットだけではもったいない」と大瀬さんからアドバイスを受け、再チャレンジすることに。安積さんは「蚊に刺されながらも3回も通った。懐中電灯で彼岸花の一部を照らし演出し撮影した」と振り返る。
他にも、画面いっぱいに広がった木の枝と、その向こうにある、輝く水面を写して星に見立てた作品や、水位の下がった珍しい大池遊園の写真などがあり、感性の違いやさまざまな視点が楽しめる。
鑑賞していた常田茂さん(83)は「シャッターチャンスを逃さない作品やパワーのある作品など素晴らしいものばかり。いいものを見せてもらった」と話した。
午前10時~午後5時(最終日は4時)。出品者は次の皆さん。
安積とし子▽高木美代子▽有田淳之▽坂本道明▽小畑真紀▽﨑口まみ▽岡田勝▽土谷守▽武田由美子▽藤本佐知子▽川口政夫▽南口治道▽土谷かず代▽藤田保子▽大瀬克幸