運動会で披露へ 木本小6年が和太鼓練習中

和歌山市榎原の木本小学校(伊藤弘校長)の6年生83人は、25日の運動会に向けて、運動会の締めを飾る和太鼓の演目「木本太鼓」の練習に励んでいる。全員が心を一つにして音をそろえ、真剣な表情で取り組んでいる。
同市湊で「紀州郷土芸能黒潮躍虎太鼓保存会」を主宰する宇治田良一さん(75)が30年ほど前から指導にあたってきた。およそ6分の演目で「桶(おけ)」「宮」「締(しめ)」「竹」など七つの楽器がある。9月中旬から始めた稽古で、児童らはリズムを覚えるなどの努力を重ねてきた。
一番の見せ場は、同じリズムをたたきながら太鼓の種類が増えたり、音に強弱をつけたりする「波」と呼ばれる場面。他の太鼓とそろえながら音に強弱をつけるのは難しく、さらに遠く離れた楽器同士でも合わせにくいという。
この日、児童たちは宇治田さんの指導を受けながら集中的に波を反復練習。宇治田さんは「屋外では音の響きが室内と違い、音が聞こえにくくなる。遠くの太鼓の人の動きをよく見てよ」とアドバイスし、児童らは他の児童の動きと音に注意を払ってたたいていた。
宮を担当する井内晴さん(12)は「宮は要になる太鼓で、迫力があってかっこいい。昔から受け継がれた伝統の太鼓を、これからたたくことになる1年生から5年生たちが憧れるように頑張りたい」、締担当の岩本悠佳さん(11)は「みんなが一緒になって演奏し、ぴったり合わさった時が気持ちいい。見てもらう人が感動するような演技がしたい」、西上仁椛さん(12)は「みんなで音を合わせて、たくさんの人に喜んでもらえるように頑張りたい」と笑顔で話していた。