柿収穫で助っ人 フリーランス農家の小葉松さん

柿の収穫最盛期を迎えている和歌山県紀の川市名手上のcog-lab農園(小倉優一郎代表)に、フリーランス農家として全国を飛び回る小葉松(こばまつ)真里さん(35)が援農に訪れ、3週間ほど作業を手伝った。
小葉松さんは土地と家を持たず、農繁期に合わせて住まいを移し、農作業を手伝うフリーランス農家。2019年から活動を始め、北海道から石垣島まで全国の農家を飛び回る。自身の体験をSNSで発信し、2024年には、これまでの歩みや、知り合った農家の魅力をまとめた著書「フリーランス農家という働き方」を出版。農業の人手不足問題や地域の人口減少が加速する中、その新しい働き方が注目されている。
小葉松さんは知り合いを介して小倉代表(40)と出会い意気投合。この日はボランティアの仲間6人と共に柿の収穫に追われる同農園を手伝った。
柿の木が約200本ある同農園では、2人で朝7時から夕方5時まで20㌔のコンテナ50個分を収穫している。
小倉代表は「熟れ具合を見極め、一つずつ丁寧にはさみで切って採らなければならず、熟すのが早いため、スピード感が必要で、高所での作業と重い柿の運搬は肉体的な負担が多い」と話す。
小葉松さんは「梅やミカンの収穫で和歌山に来たことはあるけど紀の川市は初めて。のどかでいいところ」と笑顔。
小倉代表から収穫の仕方、選別方法の指導を受け、作業に汗を流した。
柿は初めてという小葉松さんは「収穫時期が短いので時間との闘い」と、真剣な表情で仲間と共に丁寧に収穫。45分ほどでコンテナ10個がいっぱいになった。
小倉さんは「めちゃくちゃ早い。農繁期にはものすごく助かる」と感謝。
小葉松さんは「私のようなフリーランス農家が増えれば、農業課題が少しでも解決できると信じている」とし「私の働き方を見て『農業をやってみたい』と感じる人が一人でも増えてくれたらうれしい」と話していた。

