自然が生む無作為の美 松原時夫さん写真展

作品について来場者と語り合う松原さん(奥)
作品について来場者と語り合う松原さん(奥)

和歌山市の写真家、松原時夫さん(85)の写真展が12月1日まで、同市十二番丁のMsギャラリー12番丁で開かれている。白線や水たまりをフィルムの黒と白で表現した松原さんは「人為的でなく、自然にできた形には面白さがある」と話している。

和歌浦で生まれ育ち、片男波海岸に出かけては、風や波が浜辺に描いた造形、コンクリートに残るユニークな雨の模様などを記録し、発表してきた。今展では、道路の白線にも着目。劣化やひび割れによって生まれた模様が、人の表情のようにも見える作品が並び、松原さんは「白線は古いほど面白い」とにっこり。あるがままの姿をじっくりと観察し、独自の感性で写し撮っている。

対して、水たまりも時間の経過で変化する偶然の痕跡。作品は、人型のような濃淡のグラデーション、横顔にも見えるシャープな線、女性像に似た柔らかな輪郭を写したものなど。繊細で静謐(せいひつ)な趣の作品に、訪れた人は「いろんなものが見えてくる」と見入っている。

松原さんは「つまらなく感じる人、面白がって見る人、さまざま。それぞれの想像力で自由に楽しんでもらえるとうれしいです」と話している。この他、11歳でカメラを手にし、母親を被写体に初めてシャッターを切った原点ともいえる一枚も並んでいる。

午前11時~午後7時(最終日は5時)。同所(℡073・431・8255)。