新年に願い込め奉納 野上八幡宮に中高生が絵馬

海南高校大成校舎の皆さん
海南高校大成校舎の皆さん

紀美野中学校科学美術部の皆さん
紀美野中学校科学美術部の皆さん

ことしも残すところ10日余りとなり、各地で新年を迎える準備が進んでいる。和歌山県紀美野町小畑の野上八幡宮(薮洋平宮司)には、来年の干支(えと)の午(うま)にちなみ、地元の中高生が制作した絵馬が奉納された。

18日に特大絵馬を奉納したのは海南高校大成校舎(紀美野町動木)の美術部員。奉納はことしで28年目。部員3人と教諭らが、縦180㌢、横270㌢の大きさに水性ペンキを使い、約2週間かけて完成させた。

生徒たちでアイデアを出し合い、黄色を背景に、たてがみをなびかせた草原を駆ける馬と、朝日が昇る富士山や竹、梅など縁起の良い題材を描いた。立体的で今にも飛び出してきそうな疾走感のある仕上がりになっている。

馬の色使いにこだわったといい、脚の部分の影や胴体の濃淡など、茶色の濃淡で奥行きを表現したという。

部長の辻脇大生さん(18)は「春のイメージで梅を描き、背景は明るい黄色にした。来年は卒業して新しい生活が始まる。気持ちも新たに自分のペースで頑張りたい」と話した。同校PTAの西田博昭会長は「うまいこと描いてある。絵馬を毎年楽しみにしている人も多い。飛躍の年になれば」と話した。

力強く駆け抜けたい

17日には、紀美野中学校(同町下佐々)科学美術部の生徒が制作した絵馬を奉納。朝日を背に、茶色の馬が駆け出し、紺色の背景には朝日が昇る。白色の「大願成就」の文字がはっきりと分かる仕上がりになった。

同部の2年生7人が、縦130㌢、横180㌢の大きさにアクリル絵の具を使い約1カ月半かけて完成させた。

部長の西川明希(14)さんは、いつもと違うイメージにしたいと思い、日が昇り始める薄明を表現しようと背景に紺色を選んだという。

来年は3年生になり受験を控えることから「負けずに進みたい」という気持ちを込め、寒さに負けずに走り続ける馬を描いた。

絵馬殿に設置された絵馬を見て、西川さんは「飾ると迫力が増した。声かけをしながら楽しく制作できた。来年は学校イベントを楽しみ、クラスみんなで仲良く過ごしたい」と笑顔。藪宮司(47)は「私も午年です。一年間突っ走れというメッセージが伝わった」と話した。