海南市と能登町が協定 災害時、人員や物資を相互支援

協定書を手に(左から)神出市長、上田さん、吉田町長
協定書を手に(左から)神出市長、上田さん、吉田町長

南海トラフ巨大地震などの大規模災害に備え、和歌山県海南市は9日、石川県能登町と「災害時相互応援に関する協定」を締結した。同町には2024年5月から海南市の総務部主幹、上田知史さん(元総務部危機管理課長)が派遣されており、さらに自治体間の連携を深めようと実現した。

同市は、2024年1月1日に発生した能登半島地震で、同年5月に県の対口支援先である能登町へ上田さんを派遣。同町の職員数は厳しく、上田さんを含め全国から77人が派遣され、現在も復興支援業務にあたっている。

上田さんは、東日本大震災で岩手県山田町での短期避難支援の経験もあり、能登町では総務課課参事(危機管理・防災担当)として、復興計画策定や地域の人、事業所などからの聞き取り、豪雨災害も含めた災害対応の記録と検証を進めてきた。3年目の26年度も引き続き防災的な計画を作成する予定となっている。

業務を遂行する中で、上田さんは培ったネットワークで相互に支援し、組織として関係を強化する方が良いのではと感じ、同町も有事の際に連携できる他自治体との協定の重要性を再確認し、締結に至った。

締結により、どちらかの市町で大規模災害が発生し、単独では十分な災害応急対策が実施できない場合、職員の派遣や物資の提供など、相互に応援を行い該当地域の対策を円滑に実施する。

海南市役所で行われた締結式には、能登町の吉田義法町長、神出政巳海南市長らが出席。神出市長は「いざというとき、支援し合えることは大変心強く感じている。平時からの連携も強めたい」とあいさつ。

吉田町長は「地理的に離れた両自治体が手を取り合うことは、同時被災のリスクが低く、万一の際は確実に支援ができる。ご恩を胸に有事の際は同町が全力をかけて支援したい」と話し、上田さんの業務に関し「町民に寄り添い、献身的に業務に携わっていただき、見るたびに心が熱くなり力が湧いてくる。この絆が本日形となり締結を結ぶことが感慨深い」と話した。

主な協定内容は、災害応急対策と災害復旧のために必要な職員の派遣や食糧・飲料水と生活必需物資、その供給に必要な資機材の提供。医療、防疫、施設の応急復旧等に必要な資機材と物資の提供を行う。