万博は挑戦・実験の場 コシノジュンコさん語る

デザインへの思いを語るコシノジュンコさん
デザインへの思いを語るコシノジュンコさん

昨年の大阪・関西万博でシニアアドバイザーを務めたデザイナー・コシノジュンコさんのトークショーが15日、和歌山市吹上の県立近代美術館であり、関わった2度の万博や、建築界の巨匠・黒川紀章さんとのエピソード、デザインについての思いを語った。

同館で始まった企画展「万博のレガシー 解体と再生、未完の営為を考える」の関連イベントで、約110人が来場した。

コシノさんは1970年の大阪万博で三つのパビリオンのユニホームをデザイン。大阪・関西万博でも、大阪ヘルスケアパビリオンに出展したタカラベルモント(大阪市)のユニホームを手がけた。

トークの進行役は京都工芸繊維大学の本橋弥生准教授が担当。コシノさんは、アーティストや作家たちが集う場で黒川さんと出会って交流を深め、紡いだ縁が70年万博につながったことを紹介した。

当時コシノさんが手がけたユニホームの実物も会場に展示。「超ミニ」のスカートなど、自由で例のない衣装を発表したことを振り返り「中途半端なファッションではなく、思いっ切りやれば、個性として残る。流行を追いかけようとすれば、その時代で終わっちゃう」と話した。

来場者の中には、昨年の万博でボランティアに携わり、コシノさんが監修したユニホーム姿で参加した人もおり、急きょトークに加わる一幕があった。

制服をデザインする際に気を付けていることは「着やすいこと、着せられるのでなく、自分から『着てみたい』と思えること」と紹介。2度の万博について、1970年は「挑戦」、2025年は「実験」をキーワードに挙げ、「デザインは自由。見たことのない、やったことのないことへの挑戦がクリエイティブにつながっていく」と言及。未来を考えても答えがなく、世界を見据えた挑戦という意味においても実験的な要素があるとした。

また、同館について「黒川さんが残した大きなレガシー(遺産)」と高く評価。「20代で黒川紀章さんに出会って、今ここにいるということに、すごく使命感を覚える。万博が終わって、レガシーって何?っていうと、今ここにいることかと思う」と話した。

大阪・関西万博でボランティアを務めた参加者もトークに加わった
大阪・関西万博でボランティアを務めた参加者もトークに加わった