孤立救う空の物資輸送 紀の川市でドローン訓練

ドローンによる物資輸送訓練を見守る住民ら
ドローンによる物資輸送訓練を見守る住民ら

和歌山県紀の川市は15日、最新技術を活用したドローンの物資輸送訓練を同市中鞆渕の市役所鞆渕出張所で実施した。市とソフトバンク㈱などで構成する「紀の川市ドローン社会実装推進コンソーシアム」の活動の一環。地域住民ら約60人が参加し、災害対応の最前線を見守った。

訓練は、大規模災害により道路が寸断され、鞆渕地区が孤立した事態を想定して行われた。ことし1月に開設されたばかりの防災拠点である同出張所を起点に、約1・6㌔離れた下鞆渕集会所との間を往復。市役所本庁舎に設置された災害対策本部から「遠隔運航管理システム」を用いて操縦を行い、医薬品や衛生用品などの支援物資を運搬した。また、離着陸地点には監視カメラとスピーカーを備えた「ドローンスタンド」を設置。人の代わりに自動で周囲の安全を確認し、省力化された高度な運用を披露した。

同コンソーシアムは昨年7月に設立。産官学の約30団体が参画し、地域課題の解決を目的に、ドローンの社会実装を目指し、物流・防災・農業3分野のワーキンググループで、具体的な活用策の検討や推進を図っている。

今回の訓練は「フェーズフリー」な活用を目的としており、日常時と非常時の垣根をなくし、普段から使い慣れた技術を災害時にも役立てる考え。

市企画経営課の西端克典班長は「まずはドローンの安全性を、見て知ってもらう機会が大切。今後孤立する可能性がある地域で順次航路を設計し、エリアを広げていきたい」と話す。

岸本健市長は「災害発生時にはここが避難所や対策拠点となる。ドローンはなくてはならないもの。地域で一体となって災害に強いまちづくりを進めたい」と話した。

訓練を見守った70代の女性は「以前台風で木が倒れ、2日ほど道路が通れないことがあった。このドローンがあればすごく助かるので安心で心強い」と期待を寄せた。