海の安全守り31年 巡視艇「きいかぜ」任務に幕

和歌山で31年間、海の安全を守ってきた和歌山海上保安部の小型の巡視艇「きいかぜ」が役目を終え、解役されることになった。9日、和歌山市築港の同部付近の桟橋で解役式が行われた。
同艇は全長20㍍、26㌧。1995年(平成7)1月に配属されて以来、北は大阪との県境から南は日高町と美浜町の境にある日ノ御埼周辺まで、周辺海域の治安維持や救難活動に従事してきた。総航海距離は約32万9000㌔(地球約8・2周分)、総救助隻数187隻、総救助人員502人、検挙件数878件という全国屈指の成果を上げてきた。老朽化などの理由で解役されることになった。
式には同部の池田紀道部長や乗組員、職員ら計14人が参列。乗組員たちが船首に献酒し、国旗と庁旗を降下・返還、最後に「訣別」として船体に記された番号をペンキで塗りつぶす抹消作業を行った。

池田部長は「伝統ある名称と乗組員の正義仁愛の精神は新たな巡視艇に受け継がれ、今後の活躍に期待します」とあいさつ。「常に待機し、要請があれば出動して毎日のように働いてくれた。感謝しかない」と話した。
番号の抹消作業をした航海士補の入江大海(ひろうみ)さん(30)は、市立明和中学校時代の同艇での職業体験がきっかけで2015年に入庁。24年に同部に配属され、務めてきた。入江さんは「最後に立ち会うとは感慨深いものがある。小さな故障のたび皆で修理し、粘り強く最後まで走ってくれた。本当に『お疲れさま』という気持ち」と笑顔だった。
旧「きいかぜ」に代わり、東京都江東区で建造された同名の新巡視艇が11日に就役する。


