県有林で森林クレジット 初の認証、100トン販売へ

和歌山県は22日、J―クレジット制度に基づき、県有林による二酸化炭素(CO2)の吸収量を森林クレジットとして販売を開始する。県内では民間企業に先行事例があるが、県有林を対象としたものは初めてで、県内自治体としても初の取り組みとなる。販売で得た収入は県有林の森林整備などに役立てられ、購入事業者には環境貢献などのメリットがある。
同制度は、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2の排出削減量や、適切な森林管理によるCO2の吸収量を「クレジット」として国が認証するもの。創出されたクレジットは、事業活動に伴うCO2排出量のオフセット(相殺、埋め合わせ)などに利用できる。
今回の森林クレジット販売の対象となるのは、五百原(いもはら)県有林(田辺市龍神村龍神)の一部、205・41㌶。間伐などの適切な森林管理によって2023~24年度分のCO2吸収量852㌧が認証され、森林クレジットとして発行された。そのうち100㌧分を試験的に販売する。
1㌧あたりの販売単価は非公表で、購入希望者からの申し込み内容を先着順に審査し、県が設定する最低価格を購入希望価格が上回っていれば販売する。申し込み期間は22日午前9時から来年2月26日までだが、申し込み量が100㌧を上回った時点で受け付けを終了する。
県は23年度から、五百原県有林を先行モデルとして森林クレジット創出の取り組みを開始。38年度までの16年間で森林が吸収する7119㌧のCO2吸収量を森林クレジットとすることを目指している。今回の販売を通じて、入札方式や長期契約など複数の販売手法も今後検討する考えで、全体で約4000㌶に及ぶ県有林の整備促進、さらなるクレジット創出につなげようとしている。
同制度による森林クレジット販売は、すでに15道府県が取り組んでおり、近畿では京都府で実施されている。
宮﨑泉知事は21日の定例会見で「脱炭素先進県を目指すわが県において、森林クレジットの販売に至ったことを非常にうれしく思っている。今後、森林クレジットの販売収入を活用した森林整備が促進され、取り組みが県内に広がることを期待している」と述べた。
申し込み方法など森林クレジット販売に関する詳しい情報は県ホームページに掲載している。

