県内から37人に 各界の功労者に春の叙勲
各界の功労者に贈られる2026年春の叙勲の受章者が29日に発令され、和歌山県関係は56~89歳の37人(うち女性6人)が受章する。受章者の内訳は、旭日大綬章1人、旭日小綬章1人、旭日双光章5人、旭日単光章3人、瑞宝中綬章1人、瑞宝小綬章4人、瑞宝双光章9人、瑞宝単光章13人。今回を含めて県内の受章者総数は5257人(うち女性409人)となった。
5月に県庁で伝達があった後、東京で天皇陛下への拝謁が行われる。晴れの受章者は次の皆さん。
【旭日大綬章】
仁坂吉伸(75)元和歌山県知事、和歌山市西高松
【旭日小綬章】
坂本守(76)元御坊市議、御坊市塩屋町南塩屋
【旭日双光章】
髙垣嘉宏(89)元高垣酒造㈱社長、有田川町小川▽田中大治(76)元県飲食業生活衛生同業組合理事長、田辺市高雄▽谷本典生(70)県消防設備保守協会副理事長、田辺市下万呂▽仲河義仁(70)元県歯科医師会副会長、和歌山市岩橋▽西櫻順子(70)元県収用委員会委員、紀の川市貴志川町前田
【旭日単光章】
服部惠伊子(81)県遺族連合会副会長、和歌山市堀止南ノ丁▽花谷享(87)橋本市大野西区区長、橋本市高野口町大野▽湯川充(79)和歌山市紀伊地区上野北自治会会長、和歌山市上野
【瑞宝中綬章】
中俊博(80)和歌山大学名誉教授、和歌山市上三毛
【瑞宝小綬章】
恩地秀和(78)元公立高校長、橋本市南馬場▽小西博久(77)元県警察本部刑事部長、和歌山市西浜▽小濱孝夫(77)元県総務部長、和歌山市鳴神▽平松芳民(78)元公立高校長、上富田町生馬
【瑞宝双光章】
門悌次(74)県ローイング協会副会長、和歌山市善明寺▽平逸男(74)元公立小学校長、和歌山市有本▽谷敏朗(71)保護司、新宮市千穂▽辻正信(76)元学校歯科医、橋本市高野口町名古曽▽新田淳二(74)元中部空港事務所総務部長、串本町高富▽畑中泰武(77)元公立小学校長、有田川町小川▽松本加代(79)特別養護老人ホーム「栄寿苑」施設長、岩出市清水▽松本正康(71)学校薬剤師、和歌山市和歌川町▽山﨑雅博(78)元公立小学校長、湯浅町山田
【瑞宝単光章】
大前和也(64)元高野町消防団団長、高野町高野山▽亀田幸弘(72)元田辺市消防団副団長、田辺市本宮町皆地▽小池吉久(75)元有田市消防団分団長、有田市下中島▽崎口玄護(81)元海南市消防団分団長、海南市阪井▽竹本源一(78)元すさみ町消防団団長、すさみ町里野▽中野廣行(78)元和歌山市消防団副団長、和歌山市和歌浦南▽中村眞人(73)元白浜町消防団副団長、白浜町安居▽中本京子(79)元各種統計調査員、田辺市磯間▽西原英男(70)元みなべ町消防団団長、みなべ町北道▽日浦寛人(75)元新宮市消防団副団長、新宮市佐野▽宮里裕子(64)元児童養護施設「和歌山市旭学園」施設長、和歌山市田尻▽森美千代(56)幼保連携型認定こども園広瀬幼保園副園長、和歌山市出島▽吉岡政則(81)元橋本市消防団副分団長、橋本市高野口町応其
瑞宝単光章 元児童養護施設「和歌山市旭学園」施設長
宮里 裕子さん(64)
― 和歌山市 ―

親に代わり、寄り添い36年
「親にはなれないが親の代わりの存在でありたい」。そんな一心で、社会的養護を必要とする子どもたちの成長を36年の長きにわたり見守り続けてきた。
保育士を志す原点は、自身が通った保育所の職員への憧れから。中学校時代、同級生に旭学園の子がおり、元気で明るいその姿を見て施設に関心を持った。東大阪短期大学を卒業し1985年、念願の旭学園に入職。当初は2歳から6歳児を担当。昼間は元気な子も、夜になると寂しさから泣いたり爪をかんだりする。胸が痛むが、悲しい顔は見せまいと、明るく遊んで心を通わせる日々を重ねた。
入職当時は経済的な理由による入所が多かったが、時代とともに虐待やネグレクトなど理由は複雑化。かつては元気な姿だった子どもたちの中に、深く傷つき、心を閉ざしたような姿も目立つようになる。
子どもたちが感情を爆発させる場面にも幾度となく直面した。その背景にある親への思慕や葛藤を受け止め、粘り強く対話を重ねた。
「将来、社会に出てから困らないように」と、生活習慣の大切さを根気強く説き続けた。歯磨きやあいさつ、食事のマナーなど、当たり前の日常を一つずつ積み上げていった。
巣立った卒園生が「今は社長になった」と胸を張って報告に来たり、退職時に「先生ありがとう」と手紙をくれたりすることが何よりもうれしく、頑張る糧になった。
現在は現場を離れ、新たに手話のボランティア活動に精を出す。「子どもたちは夢を持って諦めないでほしい。そして親は助けを求めて声を上げてほしい」。次代を担う親子が共に幸せになれる社会を、今も静かに願っている。

