「地学地就」推進で成果 和歌山市の大学生増加率全国1位

和歌山市が誘致した市内中心部の5大学について、4月に県立医科大学薬学部6期生の入学により各大学の全学年がそろい、在籍学生数が計1895人となった。県内からの進学率は74・6%、2021年度以降の卒業生1178人の県内就職率は81・7%に達しており、尾花正啓市長は15日の定例記者会見で「ふるさとで学び、ふるさとで就職する『地学地就』が進んでいる」と成果を話した。
高校生の県外進学率は、和歌山が2018年度まで40年以上、全国ワースト1位で、若者の市外・県外流出が大きな課題となってきた。
尾花市長は14年の就任以来、市内への大学誘致を推進。有効求人倍率が高く、人材が必要とされている看護師・保育士・理学療法士・作業療法士などのエッセンシャルワーカーを養成する大学をターゲットとし、18年度に開学した東京医療保健大を皮切りに、19年度に和歌山信愛大、20年度に宝塚医療大、21年度に和歌山リハビリテーション専門職大と県立医科大薬学部の計5大学の誘致を実現してきた。
県内からの進学率は、県立医大薬学部は27・4%にとどまるが、他の4大学はいずれも90%を超えている。
文部科学省の学校基本調査を基に市が算出したデータによると、県内の大学生数は誘致前の17年度が8628人だったのが、25年度には1万194人に増加し、増加率18・2%は全都道府県で最も高く、全国平均の2・8%と比べても際立っている。
尾花市長は会見で「地方の維持のためには地方に大学が必要だ。就任12年目にして全学年の学生がそろったのは非常にありがたい。県外に出なければいけなかった学生が県内で学べるので、学費など費用面も含めメリットは大きい。市内の活性化の面でも、学生の存在は非常に大きいものがある」と述べた。
尾花市長は25年3~12月に文科省が実施した「2040年を見据えて社会とともに歩む私立大学の在り方検討会議」に委員として参加。市の大学誘致実績などを踏まえ、①エッセンシャルワーカーを育成する大学の誘致実績と地域とのつながりを通じ、不足する専門人材を「地学地就」で地元に定着させる地方大学の必要性②地域の人材育成に貢献している地方大学への支援の重点化③地方における理工系人材不足の現状と、オンラインを活用したサテライトキャンパス設置などによる理工系人材育成の推進――の3点を提言した。
市は今後、市内産業の中核である製造業などの人材需要を踏まえ、理工系大学の誘致を進めるとしている。

