高校生が初の最優秀賞 第3回有吉佐和子文学賞

第3回有吉佐和子文学賞の選考結果を発表する尾花市長
第3回有吉佐和子文学賞の選考結果を発表する尾花市長

和歌山市は、市出身の小説家・有吉佐和子(1931~84)の名前を冠する「第3回有吉佐和子文学賞」の受賞作品を決定した。全47都道府県と海外5カ国から計1314点の応募があり、最優秀賞には千葉県茂原市の小髙桃子さん(千葉敬愛高校2年)の作品「コンプレックスとチャームポイント」が輝いた。高校生が最優秀賞に選ばれたのは今回が初めて。

同文学賞は、より多くの人々が創作の喜びを感じ、有吉作品や和歌山を知るきっかけにしてもらおうと、全国の中学生以上を対象にエッセイを募集している。

小髙さんのエッセイは、小学生の時に尋常性白斑という病気になり、髪の一部が白くなった経験を通して、その特徴をチャームポイントとして受け入れるまでの心の変化を丁寧につづっている。選考委員からは「コンプレックスを唯一無二のチャームポイントとして抱きしめ、歩み出すその姿に、一人の書き手としての確かな覚悟と成熟を予感した」、「自己と他者、視線と価値観の大いなる相違という、文学における普遍的な命題に真摯(しんし)に向き合った秀作」などの評価が寄せられた。

応募者を居住地別にみると、和歌山市内76人、同市以外の県内55人、県外1178人の他、アメリカ、オランダ、ドイツ、マレーシア、モンゴルの海外在住者から応募があった。

年齢別では10代が327人と最多で、90代まで全ての年代から応募があり、最年少は13歳、最高齢は94歳だった。

有吉の母校である光塩女子学院(東京都)の中等科からは110人の応募があった。同学院は校内に「有吉佐和子展示コーナー」や「有吉佐和子文庫」を設けるなど、顕彰活動に力を入れている。

尾花正啓市長は「文学賞がだんだん根付いてきた。有吉佐和子さんという偉大な作家が与えた影響が今も大きく残っており、文学賞を通じてさらに広がっていけばいいと思う」と述べた。

表彰式は6月7日、市立有吉佐和子記念館で行われる。受賞作品は表彰式後、市ホームページなどに掲載される。受賞者は次の皆さん。

【最優秀賞】小髙桃子(千葉県茂原市、千葉敬愛高2年)

【優秀賞】秋元勇作(東京都新宿区)

【佳作】田村奈実(埼玉県三郷市)▽中川泰明(神奈川県平塚市、聖光学院高1年)▽原徹(愛媛県松前町)▽播磨賢(東京都品川区)▽松尾寛(和歌山市)

【奨励賞】伊藤光映子(東京都練馬区、光塩女子学院中等科3年)▽稲村瑠華(東京都多摩市、晃華学園高2年)▽大久保まこ(千葉県四街道市、千葉敬愛高2年)▽出島せいな(大阪市、大阪教育大付天王寺中2年)▽仲陽菜子(愛知県岡崎市、緑誠蘭高サテライト知立校1年)▽向井こなつ(東京都中野区、光塩女子学院中等科2年)