和歌浦天満宮に「算額」奉納 和歌山信愛大の学生

算額とクイズのパネルを手に原講師㊧、学生と小板宮司㊨
算額とクイズのパネルを手に原講師㊧、学生と小板宮司㊨

和歌山信愛大学(和歌山市住吉町)教育学部子ども教育学科の4年生5人は、自らが解き明かした高度な数学の解法を書き込んだ絵馬「算額(さんがく)」を25日、同市和歌浦西の和歌浦天満宮に奉納した。

奉納された算額
奉納された算額

算額とは、江戸期から明治期にかけて、日本伝統の数学「和算」の問題や解法を記して神社仏閣に奉納した絵馬のこと。当時は難解な数理を解き明かした者が成果発表や感謝を込めて掲げ、互いに学問を高め合った歴史がある。

同大で算数科教育指導法などを専門とする原啓司講師の研究室では、この「自ら問いを立てて頭を動かす」という算額の文化を、子どもたちの格好の教材にできると着目。天満宮側へ「学問の神様を祭る天満宮に自分たちも算額を納めさせてほしい」と申し出たことで、今回の奉納が実現した。

話を受けた小板政規宮司は「奉納するだけでなく、お参りに訪れた子どもたちが頭を使って挑戦できるような、参加型の『宿題(クイズ)』を出してみてはどうか」と提案。このアイデアから派生し、学生たちが考案した参拝者参加型の算数クイズ企画が、奉納に合わせ同日から境内で始動した。

第1弾の問題は、神社の神主や巫女(みこ)が1列に並んだ際の全体の長さを考える内容。登場人物の並び順や人と人の間隔をヒントに境内で正解を導き出す仕組みで、子どもたちが親しみやすいようイラスト付きで分かりやすく工夫されている。参拝者がこれに挑戦し、答えを社務所へ伝えて正解すると、先着100人にオリジナルの「合格カード」がプレゼントされる(なくなり次第終了)。このクイズ企画は、年に4回問題を更新しながら掲示していく予定。

指導にあたった原講師は「天満宮という特別な場所に足を運び、本来の思考を楽しむ学問として算数を捉え直してほしかった。子どもたちに算数って面白いと感じてもらうと同時に、学生が現場に出て子どもたちと接する際の大きな経験になる」と話す。

学生たちは6月に教員採用試験を控えており、その準備と並行して熱心に企画を練り上げてきた。問題作成を担当した学生の木村颯真さん(21)は「低学年から高学年まで幅広い層がクイズっぽく楽しめるよう、難易度のバランスを意識した。算数をより好きになるきっかけになればうれしい」と笑顔。井硲優斗さん(21)は「神社という日常の空間の中で、子どもたちが算数を感じてくれたら作った側としてもうれしい」と話していた。