木村、稲川さんが近畿大会へ 和歌山盲学校で弁論

1位に選ばれた木村さん㊧と2位の稲川さん
1位に選ばれた木村さん㊧と2位の稲川さん

和歌山市府中の県立和歌山盲学校で5月28日、校内弁論大会が行われ、中学部や高等部普通科、高等部専攻科理療科、保健理療科の生徒8人が日頃の思いや経験を力強く発表。審査の結果、理療科2年の木村真樹さんが1位、昨年度の全国大会で準優勝した3年の稲川祐司さんが2位となり、6月18日に兵庫県で開かれる近畿大会への出場権を獲得した。

同校は1982年から行われている全国盲学校弁論大会の第4回大会で優勝、その後も現在までに4回優勝した実績がある。

校内弁論大会では「フリートーク」の部門も設けられた。論旨、話術、声調、聴衆の感銘などを評価する弁論とは異なり、審査対象にはならないが、多くの生徒に自らの思いを伝える機会を提供しようと行われた。今大会では8人のうち5人がフリートークを披露した。

生徒たちは視覚障害と向き合いながら生活する中で感じたことや、自身の趣味、日常生活での工夫などをテーマに、それぞれが熱弁を振るった。

中学部1年の前田奏人さんは「ぼくのすきな高速道路について」と題し、和歌山南インターチェンジから阪神高速へ向かう道のりの魅力を紹介。高等部専攻科保健理療科2年の杉本憲治さんは「三歩進んで二歩下がる」と題し、網膜色素変性症による視覚障害と向き合いながら、筋トレや食生活を通じて前向きに生きる姿勢を語った。

また、高等部普通科3年の木下叶翔さんは歌うことが趣味だと話した。好きな歌を披露し、会場を盛り上げた。専攻科理療科3年の稲川さんは、見えない生活の中での食事や日常の苦労をユーモアを交えて紹介し、「考え方を変えれば、見えない世界でも楽しめる」と訴えた。理療科2年の木村さんは、自身の不登校経験や視覚障害による葛藤を振り返りながら、「楽しい人生を送るには、楽ばかり選んではいけない」と力を込めた。

同校では「自分の心、自分の経験を自分の言葉で伝えていく」を大切にしており、生徒たちは緊張しながらも、一人ひとりが会場いっぱいに思いを届けた。

同校卒業生の審査委員長は「視覚障害者は日々努力して生きている。今回の発表は中途視覚障害の人が考えていることがよく分かる発表でした。近畿大会に向けて話術を磨いてください」とねぎらい、木村さんは「頑張ります。それに尽きる」と意気込みを述べた。

松下香好校長は「弁論大会は、自分の思いや経験を発表し、聴衆に伝えるとても有意義な取り組み。今回も一人ひとりがしっかりと表現していて、あたたかな雰囲気が広がっていた」と話していた。