「扇の芝」127年ぶり復元へ 20日に芝張りイベントも

「扇の芝」の復元完成イメージ(和歌山市提供)
「扇の芝」の復元完成イメージ(和歌山市提供)

和歌山市は、和歌山城南西角の「扇の芝」の復元に向け、20日に市民参加の芝張りイベントを開く。明治時代に民有化されて以来、127年ぶりに往時の姿を復活させる取り組みで、尾花正啓市長は10日の定例記者会見で「歴史の復元に、多くの市民の皆さんに関わってもらいたい」と述べ、参加を呼びかけた。

市和歌山城整備企画課によると、扇の芝は城南西の石垣外側に広がる三角形の土地から追廻門へとつながる約3500平方㍍の土地。元和5年(1619)に徳川家康の十男・頼宣が紀州藩主となって以降、城郭を拡張した際に形成されたとみられる。

城の南西側は砂丘の地形により堀を設けることが難しく、防衛のために石垣を4連続で折り曲げた「屏風(びょうぶ)折れ」の構造とし、その手前を見通しの良い空き地にすることで、敵の襲撃に備える軍事的な役割を持たせていた。

明治になると城は陸軍省の管轄となったが、明治32年(1899)に一部が民間に売却されて以降、商店や住宅が立ち並ぶようになり、当時の景観は失われていた。市は、天守閣や高石垣が美しく見渡せる扇の芝の歴史的意義を重視し、2018年度から復元整備に着手。段階的に土地の買い取りと国史跡和歌山城への追加指定を進め、23年9月に追加指定が、25年度に土地の公有化が完了した。

26年度から本格的な復元整備を進め、今回の芝張りイベントを皮切りに、来年度以降も石垣沿いなどの芝張りや園路の整備などを順次進める。全体の供用開始は27年度を予定し、新たな市民の憩いの場が完成する。

芝張りイベントは20日午前9時半から約45分間。芝を張る全体面積約3300平方㍍のうち、300~350平方㍍程度で実施する。募集人数は200人(応募多数の場合は抽選)、誰でも無料で参加できる。申し込みは14日午後5時までフォームで受け付ける。

問い合わせは同課(℡073・435・1044)。