粉河祭へ伝統つなぐ 高校生がトンマカ踊り継承

粉河トンマカを踊る生徒ら
粉河トンマカを踊る生徒ら


7月25、26日に和歌山県紀の川市で行われる粉河祭に向け、地元住民と一体となって伝統の盆踊り「粉河トンマカ」を継承しようと8日、粉河高校の生徒が熟練の踊り手から指導を受けた。

「粉河トンマカ」は、祭りでだんじりの運行に合わせて打たれる太鼓の音に由来。かつては旧粉河町で親しまれ、企業や帰省客も交えて交流を深める欠かせない存在だった。しかし2005年の紀の川市誕生以降は祭りで流れる機会が減り、踊りを知る人も少なくなっていた。

この伝統を復活させようと動いたのが、地域を盛り上げようと活動する同市の有志団体「天晴プロジェクト」と、同校の「KOKO塾」。

KOKO塾は2001年度から活動する学習グループで、地域住民や和歌山大学と連携し、年齢や職業の垣根を越えた学びの場としてまちづくりや生涯学習を推進している。

住民からの「盆踊りの復活を」という声を受け、24年から3年連続で粉河祭で披露している。

踊りを教える増田さん
踊りを教える増田さん

指導にあたるのは、長年この踊りに親しんできた増田弥生さん(86)をはじめとするメンバー。練習では、おにぎりを握る動作や、稲穂が揺れる様子といった振り付けの細部に込められた意味を生徒に教えた。

増田さんは、踊る姿勢についても「自分が見られているという意識を持ってほしい」と厳しくも温かいアドバイスを送り、「踊りを通して人と人がつながることはありがたい。若い子たちが踊ってくれるのは本当にうれしい」と笑顔。

天晴プロジェクト代表の岩鶴裕介さん(39)は「祭りを通じて高校生、子ども、高齢者といった地域の多世代をつなぐパイプ役になりたい。コロナ禍以降、簡略化が進んでしまった祭りに、かつてのようなにぎわいと地域のつながりを取り戻したい」と話す。

3年間踊りを続けている池光ひなたさん(17)は「ただ踊るだけでなく、振り付けに込められた意味を理解し、当時の人の気持ちを大切に伝えていきたい」とし「当日は地域の人や見物客も輪に加わり、一緒に楽しんでほしい」と意気込んでいる。

「粉河トンマカ」は7月25日の宵祭、這上町、這い上がり坂周辺で午後7時ごろから行う予定となっている。