暑さ対策に「しらす丼」の効果

前号では、家計調査からわかる和歌山市における「しらす干し」の購入数量の推移について取り上げた。全国で第2位を誇る和歌山市では、釜揚げしらすに大葉や梅干しを添えた「しらす丼」として食べるのが一般的。しらす丼といっても地域により味わい方はさまざまで、それぞれの食材の魅力を生かしたものになっている。今週は和歌山のしらす丼の特徴と魅力を紹介したい。
温かいご飯もしくは酢飯の上に釜揚げしらすを乗せ、細く切った大葉や梅干しを好みの位置に盛り付けるしらす丼。県内の飲食店のみならず、家庭でも味わうことが多い一般的なものだと思う。他の地域を見渡すと、生卵を乗せるものや、刻みネギ、ミョウガなどを添えるなど、さまざまである。
釜揚げしらす、大葉、梅干しという、いかにも和歌山らしさを感じさせる組み合わせであるが、それには健康面を意識した工夫があるようだ。
まず、釜揚げしらすと梅干しの組み合わせ。釜揚げしらすに含まれる豊富なカルシウムは、梅干しに含まれるクエン酸と共に摂取することで、吸収が促進されるという。
続いて梅干しと大葉の組み合わせ。梅干しの酸味と爽やかな大葉の香りが食欲を増進させ、疲労回復につながる。
また、大葉に含まれる成分や梅干しのクエン酸には殺菌力や防腐の作用があり、食材の傷みを防ぐ効果も期待できる。さらにご飯を酢飯にすることで、その効果が増すとされる。
和歌山県民にとって身近な梅干しや大葉。手に入りやすかったという偶然から、今の和歌山のしらす丼の姿があると想像していたが、明らかな根拠がある先人の知恵。梅雨明けし暑さが増すこの季節。旬ではないが健康増進につながるしらす丼で、ことしの夏を乗り切りたい。(次田尚弘/和歌山市)


