「五本松」の石碑が復活 紀の川市で完成式典

和泉山脈の大阪府側との境に近い和歌山県紀の川市中津川のハイランドパーク粉河で8日、「五本松」の石碑の完成を祝う除幕式が行われた。かつて近隣にあった石碑がパーク開設に伴い撤去されて以来、33年ぶりの再建となった。
実現させたのは、鎌垣財産区の議会で副議長を務める林芳弘さん(81)。ことし4月にハイキンググループから「五本松はどこか」と尋ねられたことがきっかけだった。ハイキングマップなどに名称が示されているものの、現場に目印がなかったことから林さんが再建を決意した。
林さんは市の他、県内や大阪府の猟友会の知人らに協力を働き掛け、約20人のカンパや自身の労力を投じた。
徳島県産の良質な自然石を用い、高さ約1・2㍍の新たな石碑と説明用の碑を建立した。
現地では除幕式に続き、真言宗犬鳴派七宝龍寺の修験僧で理事長の冨士宝功さんらが法要を営み、ほら貝を響かせ、お経を唱えて関係者ら約20人が参列して完成を祝った。
石碑に刻まれた由来によると、五本松は紀伊と和泉の国境の峠、標高730㍍に立つ5本の松に由来する。修験道開祖・役行者により661年に開山され、古来より修験者や旅人の目印、修行の地として親しまれてきた。
同パーク周辺は、2020年に文化庁の認定を受けた日本遺産「葛城修験」のルートに含まれ、大阪、和歌山、奈良の3府県にまたがる総延長112㌔の道筋には経塚や行場が点在する。
林さんは「夢がかなってすっきりした。石碑を触るとパワーをもらえるパワースポットにして、たくさんの人に来てもらいたい」と笑顔を見せ「ここが日本遺産の歴史を知るきっかけになってほしい」と話していた。


