尾﨑太郎さん初当選 勝因は「父の教え」

当選から一夜明けて笑顔で取材に応じる尾﨑さん
当選から一夜明けて笑顔で取材に応じる尾﨑さん

任期満了に伴う和歌山市長選は9日に投開票が行われ、無所属新人で元県議の尾﨑太郎さん(61)が初当選した。内川の浄化や和歌浦湾の一体的な観光振興などの政策を訴え、6候補による混戦の中で支持を広げた。一夜明けた10日には報道陣の取材に「責任の重さを痛感している」と話し、政策実現に向け市職員とコミュニケーションを深め、「チーム市役所」づくりを進めるなどと決意を語った。

家族と共に当選の祝福を受ける尾﨑さん㊥
当選証書を受け取る尾﨑さん㊧

現職の尾花正啓市長(73)が3月、3期目での退任を表明し、今回の市長選には尾﨑さんの他に元県議の片桐章浩さん(64)、元市議の浜田真輔さん(64)、元市長の旅田卓宗さん(81)、元市議の芝本和己さん(58)、会社役員の幸前青空さん(25)の5人が立候補。主要政党が自主投票となり、法定得票数(有効投票総数の4分の1)に全候補が達せず、再選挙となる可能性も想定されていた。

候補の中で唯一、3万票を上回り勝利した要因について尾﨑さんは、父で元市長の吉弘さんの教えに従い「コツコツ回ってきた支持者宅への訪問が一番大きい」と分析。約2万軒を訪問し、「チャイムを押した数は(全候補の中で)絶対一番多い」と自信を込めて振り返った。

一方、37・04%の投票率(前回は31・54%)については、「低い。残念だ」と述べ、「もっと市民に関心を持っていただけるような政治をやらないといかんと思う。これは課題だ」と語った。

10日朝には、親子2代にわたり支援を受けてきた後援会長と共に吉弘さんの墓に参り、「父の背中に追いつけた」と報告し、市選挙管理委員会では当選証書を自ら受け取った。

市長の任期が始まるのは25日。まずは政策実現に向けて「チーム市役所」づくりが重要だとし、市職員とコミュニケーションを深め、信頼関係を構築することに力を入れる考えを示した。

中心市街地の活性化に向けては、内川を浄化し、水辺に人が集まるまちづくりを進める考えで、和歌浦湾へと続く堰を取り払い、豊かな干潟の再生を図ることも視野に入れる。推進に向け、県と市による協議体を設置したいとしている。

地場産業の振興については、和歌山ニットを中心とする繊維産業のブランド化や、化学工場の集積を強みとし、企業同士が横断的に連携して新製品を生み出せる仕組みづくりなどを目指す。

観光振興では、和歌浦湾への誘致を進めている高級ホテルが来年にも着工を見込んでおり、任期中の完成を目指す考えを明らかにした。加太までを含む沿岸地域を「グレーター和歌浦湾」と名付け、一体的なプロデュースによる振興を図っていく構想についても改めて語り、意欲を示した。