光秀寺の末の孫、魁仁さん得度 3兄弟全員が僧侶に

和歌山市東紺屋町の真宗大谷派・光秀寺で、住職の孫の杉浦魁仁(かいと)さんが9歳で得度を受け、僧侶となった。同寺では2021年に魁仁さんの長兄の顕仁(あきと)さん、24年には次兄の啓仁(はると)さんがともに10歳で得度しており、これで杉浦家の3兄弟全員が僧侶の資格を得た。将来目指すお坊さん像について、魁仁さんは「笑顔を大切にして、いろんなお家を回れたら」と意気込みをみせる。
魁仁さんは和歌山大学付属小学校の4年生。8月4日に京都市の東本願寺で行われた得度式で僧籍を得た後の9月19日に10歳の誕生日を迎えたばかり。「お兄ちゃんたちが(お坊さんになっている姿を見て、自分も家の手伝いをしたいなと思った」と得度を決めた理由を話す。
紀州藩の地誌『紀伊続風土記』によると、光秀寺は1572(元亀3)年創建で、承応年間(1652~55)に現在の地に移ったとされる歴史ある寺院。過疎化や後継者不足により、全国で閉鎖する寺院が増加する中、同寺の檀家数も約100軒ほどとなっている。同派では開祖親鸞が9歳で仏門に入ったことにちなみ、9歳からの得度を認めている。
法名は音読みで「釋魁仁(しゃくかいじん)」。得度式で頭を丸刈りにした際、夏休みが明けて登校した学校でのクラスメートの反応は予想以上だったという。「事前に言ってなかったから、みんなに『えーっ!』ってすごくびっくりされた。反応が面白かった」と話す。さらに「(丸刈りは頭を)乾かすのが楽だよ」と勧めると、実際にまねをして髪を短くしてきた友達が数人いたという。
普段はゲームや体を動かすことが大好きだといい、体操でバック転などに挑戦している他、ピアノも弾ける多才な面を持つ。「体操は憧れの選手がいるわけじゃないけど、できたらかっこいい。ピアニストにも興味がある」と笑顔を見せる。
お盆からは祖父で17代住職の敏雄さん(77)と一緒に檀家回りにも出ている。お経のリズムなどにはすでに慣れているといい、「(法衣を着ていると)移動するときにすごく歩きにくくて大変」とお坊さんならではの苦労も口にする。
歴史ある寺を守る敏雄さんは「後継者がいなくて困っているお寺が多い中、3人の孫が得度してくれて安心感がある。誰かが跡を継いでくれたらうれしい」と期待を寄せる。3兄弟の父で副住職の顕良さん(49)も「お寺を取り巻く環境は厳しいけれど、誰かが継いでくれれば」と、3人の成長を温かく見守っている。


